2002 Fiscal Year Annual Research Report
漸近挙動による中立型微分方程式の正値解の分類とその構造に関する研究
Project/Area Number |
14740124
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 敏 八戸工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (90331959)
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Keywords | 中立型微分方程式 / 正値解 / 振動解 |
Research Abstract |
今年度は情報収集を主として行った。そのため、10月には福岡大学にて草野尚教授と研究打ち合わせと文献収集を同時に行った。さらに、11月には京都大学にて内藤雄基助教授との研究打ち合わせと文献収集を行った。この両氏は本研究の先行研究を行っている方々であり、その理由もあり、今回の研究打ち合わせでは非常に多くのそして深い知見を得ることができた。8月には熊本での研究集会「崇城大学における微分方程式セミナー(通算第25回)」にそれまで得られた研究成果を発表した。とくに、2点境界値問題の解の存在に関することが、本研究の準備としては重要であるということを6月頃に気づき、その点に関すること主に講演した。また、今年度は本研究に関する私の論文が2編発表された。1つは、雑誌「Journal of Mathematical Analysis and Applications」に掲載された「A oscillation theorem for a class of even order neutral differential equations」である。この論文ではある偶数階の中立型微分方程式のすべての解が振動である(すなわち、正値解が非存在である)ための必要十分条件を得ていおり、それは今までにない新しいものである。もう1つは「Hiroshima Mathematical Journal」に掲載された「Oscillation of solutions of first-order neutral differential equations」である。この論文ではある1階の中立型微分方程式のすべての解が振動であるための十分条件を得ている。その結果は過去の結果の拡張になっている。中立型微分方程式には様々な正値解が存在することが過去の結果により知られているが、それらの結果を拡張し、さらに、統一的にまとめることができることが今年度の研究としてわかった。それらの結果をまとめた論文を今年度購入したノートパソコンにて現在執筆中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Satoshi Tanaka: "A oscillation theorem for a class of even order neutral differential equations"Journal of Mathematical Analysis and Applications. 273・1. 172-189 (2002)
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[Publications] Satoshi Tanaka: "Oscillation of solutions of first-order neutral differential equations"Hiroshima Mathematical Journal. 32・1. 79-85 (2002)