2003 Fiscal Year Annual Research Report
太陽フレアとCMEのつながりと発生要因に関する研究
Project/Area Number |
14740128
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大山 政光 滋賀大学, 教育学部, 講師 (80332716)
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Keywords | 太陽 / フレア / 浮上磁場 / ようこう衛星 |
Research Abstract |
太陽フレアとCMEの発生のタイミングを見ると、CMEの前に発生しているフレアと、CMEの後に発生しているフレアとがあり、フレアとCMEのつながりに一般性はないように思われる。一方、フレアの硬X線をみると、熱的粒子が支配的なフレア(この研究では、今後ソフトなフレアと呼ぶ)と非熱的粒子が支配的なフレア(ハードなフレアと呼ぶ)が存在する。Sakao et al.(1998)は硬X線源を調べ、ハードなフレアは浮上磁場と既存磁場と磁力線の再結合によって発生し、ソフトなフレアは既存磁場の再結合がグローバルに起こるために発生していると提案した。この提案が正しければ、フレアとCMEの時間的に前後する関係も、フレアのタイプによって分けられる可能性があるため、硬X線でみたフレアという新たな視点から、フレアとCMEの関係を探ることにした。 まず、ようこう衛星の硬X線望遠鏡で観測されたフレアのうち、ハードなフレア、ソフトなフレアを抽出し、浮上磁場の関係について探ることにした。ハードなフレアでは、すべてのフレアにおいて浮上磁場が見つかり、且つ、フレアループの足元と浮上磁場の位置がほぼ対応することが分かった(天文学会2003年秋季年会において発表;講演番号;M39a)。一方、ソフトなフレアにおいても浮上磁場がみつかり、フレアループの足元と浮上磁場がほぼ対応するものも存在した。浮上磁場は太陽面のあらゆるところで発生するため、その浮上磁場がフレアに直接的に関係しているかどうかを見極めていく必要がある。この見極めは簡単にはいかず難問ではあるが、今後は、浮上磁場の変化のタイミングとフレアの発生のタイミングを詳細に調べ、浮上磁場とフレアのつながりを探ることにする。また、両方フレアともイベント数が少なく、より一般性を述べるには今後さらに多くのフレアを調べる必要がある。
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