2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
釣部 通 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60335338)
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Keywords | 星形成 / 天体形成 |
Research Abstract |
種々の大規模観測計画の進展により深宇宙での直接観測がますます可能になりつつある。このような状況のもと、理論的な見地からの宇宙初期の天体の形成の研究も急務となっている。宇宙初期の天体形成、星形成は様々な条件の相違から現在の天体形成とは性質が異なることが予想される。この点を踏まえ、本研究では、原始ガス雲の熱的、力学的な物理素過程の詳細を考慮して形成過程を解明をすることを目標としている。本年度は、昨年度に引き続き主に宇宙論的な初代天体の形成時に形成される原始ガス雲の分裂片の自己重力的収縮について考察した。昨年度までにポリトロープ状態方程式を用いて近似的に水素分子冷却による状態方程式を再現したモデルによって初代天体形成時のガス雲の自己重力収縮中における形状の進化を系統的に調べ、その結果、実効的比熱比が1.1以上の場合には非球対称なゆがみは成長しないことを数値計算により示唆してていた。今年度は、この示唆を検証するために解析的な裏づけを与えるための研究を行った。球状から少しずれたの初期形状を持った孤立した暴走的収縮する自己重力雲が収縮ととともにど程度形状を変形させるかという問題を楕円体モデルに圧力の効果を取り込んだ新しい方法を開発して解析し、ゆがみの成長条件、成長する際の成長率を解析的に導出した。この結果は実効的な比熱比が約1.0である現在の星に比べて約1.1である宇宙最初の星が形成中に分裂しにくかったことを示す。
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