2004 Fiscal Year Annual Research Report
星形成コアの分子組成進化に関する理論的および観測的研究
Project/Area Number |
14740130
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
相川 祐理 神戸大学, 理学部, 助手 (40324909)
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Keywords | 星形成 / 星間化学 / 星間物質 / 電波天文学 |
Research Abstract |
分子雲コアの重力収縮を数値流体計算により求め、さら分子組成進化を解くことにより各収縮段階での分子組成分布を調べた。収縮コアの速度場、気相分子の存在度分布については前年度の実績報告で詳述した。今年度はダスト表面反応についてのモデルを改良し、氷組成の空間分布およびその温度依存性を調べた。低温・高密度なコアの中心では多くの分子種がダストの表面に吸着する。吸着した分子は氷マントルを形成するだけでなく、互いに化学反応を起こして新しい分子種を生成する。これらは原始星が誕生すると再び気相に戻って観測の指標となるだけでなく、気相中で新たな反応を引き起こす。よって詳細なダスト表面反応を含んだモデルは星形成コアの組成進化を解明する上で重要である。 ダスト表面反応の計算法には平均場近似を用いたrate法と平均値からのずれをも考慮する確率論的な方法がある。水素原子など反応性の高い粒子が一つのダスト上に少数しか存在しない場合には平均場近似が成り立たなくなるので確率論的な方法を用いるべきである。しかしこの方法は計算量が非常に多く、多数の分子種を含むコア進化の計算には重すぎる。よって、確率論的な効果をrate法に組み込んだ最新の修正rate法を用いた。その結果、ダスト表面反応による二酸化炭素やメタノールの生成の定量的評価を行い、氷組成の非常に敏感なコア温度依存性等を求めることができた。この結果は学術論文として執筆しThe Astrophysical Journal誌に掲載決定となった。
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Research Products
(1 results)