2002 Fiscal Year Annual Research Report
E0巨大共鳴測定用反跳粒子Spectrometerの焦点面検出器の開発s
Project/Area Number |
14740143
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大津 秀暁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90302075)
|
Keywords | 巨大共鳴 / Si検出器 |
Research Abstract |
EO巨大共鳴を励起した際の反跳粒子をエネルギー分析するための反跳粒子分析電磁石が完成し、理化学研究所加速器施設に設置された。この電磁石の建設については当研究代表者が設計から中心的役割をはたした。 当研究課題において、この電磁石間隙中の180°焦点面に設置する大面積Si検出器の作成を行った。この検出器は有効面積72x47mm^2厚さ500μmで12分割読みまで可能である。不感領域はX(横)方向に2mm(作成の歩留まりを無視すれば1.4mmまで低減可能)と極端に少ない設計とした。12分割は近い将来時間分解能が必要になることを想定した仕様である。 東北大学工学部高速中性子施設(FNL)にて、この検出器の陽子に対するエネルギー応答、および12分割の全体読みでの到達時間分解能の測定を行った。引き続き分割読みでの到達時間分解能の測定を15年度5月期に行う。エネルギー応答に関しては、^<241>Amからの5.486MeVαによる較正に対し1%の範囲で再現することが確認された。 180°焦点面にはこの検出器を7枚設置し、励起エネルギー40MeVに相当する反跳陽子までを検出する予定である。不感面積の低減により励起エネルギースペクトルには、継ぎ目に相当する不感部分が1%を越えないようにすることが可能となる。 Si検出器の作成と並行して、分析電磁石を使用し検出器系の総合テストのために^<12>Cビームを用いたテスト実験を理化学研究所にて行った。残念ながら^<12>Cの15.11MeVの励起状態を明確に分離するまでは至らなかった。このテストにより、陽子とα粒子の粒子識別に必要な時間分解能および加速器の運転パターンがわかった。ビーム軌道を制限することにより、バックグラウンド低減をはかる必要があることが明確になった。
|