2002 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーカミオカンデ太陽ニュートリノの精密測定によるニュートリノ振動解の特定
Project/Area Number |
14740152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小汐 由介 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (80292960)
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Keywords | 太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 光電子増倍管 |
Research Abstract |
本研究はスーパーカミオカンデにおいて、太陽ニュートリノを精密に測定し振動解を特定することである。初年度である本年度においてスーパーカミオカンデ検出器は主に再建作業にあてられたが、そこで取り付けられたおよそ5200本の20インチ光電子増倍管の増幅率の測定を精度よく行なった。太陽ニュートリノ振動解の特定において、特に重要になるのはエネルギーとフラックスの昼夜変動の精密測定であるが、それを可能とするには全ての光電子増倍管の増幅率が数%のレベルで一定である必要がある。そのために、まず、基準となる光電子増倍管を約400本決め、この400本についてゼノン光源を用いて1%以内の精度で増幅率を合わせることをおこなった。この1%の精度を保障するためには以下のことがなされた。まず光源の光量をフォトダイオードでモニタし、光量が安定していることを確認した。また測定は長期に渡って行なわれたが、その期間でも一定であるようにさらに基準となる光電子増倍管をモニタとして一定期間毎に測定を行い、常に1%以内であることを確認した。ここで測定された基準となる光電子増倍管は、円柱形のタンク内に一様に配置され、その周りに取り付けられた光電子増倍管の増幅率はその基準光電子増倍管の増幅率に合うように、高電圧の値が決められた。その結果5%以内の精度で増幅率が合っていることが確認された。現在、ゼノン光源、ニッケルの放射線源を用いて、さらに高精度で増幅率を合わせることを行なっている。
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