2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740165
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 貴浩 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (40281117)
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Keywords | ブレーンワールド / 一般相対論 / ブラックホール / カシミア効果 / 密度ゆらぎ / 再加熱 |
Research Abstract |
ブレーンのゆらぎと重力の相互作用)ブレーンの振動は重力相互作用を無視する場合には自由度として明らかに存在しているが、重力をカップルしてモード解析をすると振動の自由度が見えなくなる。この見かけ上消えている自由度がグリーン関数のポールを調べることによってダイナミクスとして現れてくることを示した。 ブレーンワールドの量子効果)ブレーンが2枚存在する系でブレーン間隔の安定化に量子効果であるカシミアエネルギーが有効にはたらくかを調べた。高次元の理論から有効理論として5次元の理論を考えるようなモデルで、ブレーン間隔の安定化にカシミアエネルギーが役立つ場合があることを示した。 ブレーンワールドブラツクホール)Randall-Sundrum IIモデルにおけるブラックホール解を数値的に求める為の定式化と、ホールのホライズン半径が5次元の曲率に比べて充分小さい場合の解の構成をおこなった。この結果からは、大きなホライズン半経を持つ解へスムーズに解の系列が伸びていることが示唆された。しかし、一方でホライズン半経が大きくなるにつれて数値的に解を求めることが徐々に困難になり、解が厳密な意味で存在しているのかどうかについては今後の課題として残された問題である。 ブレーンワールド宇宙論での重力波生成)Randall-Sundrum IIモデルにもとづく宇宙論モデルで、重力波ゆらぎの生成を宇宙膨張率が階段関数的に変化する場合に計算した。その結果、重力波生成率を4次元の計算結果から予測できるのではないかという予想を得た。 バルククインフレーションモデルでの再加熱と暗黒輻射生成)バルクインフレーションは高次元のスカラー場がインフレーションを引き起こすモデルである。これまでに、高次元のスカラー場が4次元のスカラー場として近似的に記述できることが示唆されていたが、その描像が再加熱の過程を考えても成立することを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Kudoh, T.Tanaka: "Second order perturbation in the radius Stabilized Randall-Sundrum two branes model"the Physical Review D. 65. 104034 (2002)
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[Publications] J.Garriya, T.Tanaka: "Cosmological perturbation in the 5D big bang"the Physical Review D. 65. 103506 (2002)
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[Publications] Y.Himemoto, T.Tanaka, M.Sasaki: "Bulk scalar in the brane world can mimic the 4-d inflaton dynamics"the Physical Review D. 65. 104020 (2002)
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[Publications] J.Garriya, Oriol Pujolas, T.Tanaka: "Moduli affective action in warped brane world compactification"Nucleur Physics B. (accepted).
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[Publications] Y.Himemoto, T.Tanaka: "Brane world Rehesting in Bulk Inflation Model"the Physical Review D. (accepted).
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[Publications] T.Tanaka, Y.Himemoto: "Generation of Dark Radiation in Bulk Inflation Model"the Physical Review D. (accepted).