2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740174
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (10311359)
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Keywords | ハイパー核 / YY相互作用 / YN相互作用 / J-PARCプロジェクト / ダブルラムダハイパー核 |
Research Abstract |
近年、^6He_<ΛΛ>が束縛状態として発見された。この発見は、皆無に等しいYY相互作用の情報に新しい光を投げかけるものである。また、新しくダブルラムダハイパー核が発見される可能性が示唆されており、理論的予言が急務とされておる。報告者は、これまでの理論的予言・来るべき実験データの解析・評価の成果によって、報告者の理論的研究は十分に予言力があると確信している。そこで、報告者は、この^6He_<ΛΛ>の実験データを足がかりとして、^4H_<ΛΛ>の精密4体計算を行なった。この核は束縛状態として存在する可能性が実験的に示唆されている最も軽いダブルラムダハイパー核であり、近年E906でその存在を示唆する実験データが得られたが、束縛エネルギーが求まるまでに至らなかった。^4H_<ΛΛ>の探索実験は引き続き計画されており、KEK-JAPERIで計画されているJ-PRACプロジェクトのハイパー核物理実験プロジェクトの一つの実験でもあり、このハイパー核の理論的研究は急務とされている。報告者は、自身の精密4体計算を活用し、現実的YY相互作用を用いて、^4H_<ΛΛ>の束縛状態としての存在の可能性を吟味した。まだ準備的段階の計算であるが、^4H_<ΛΛ>が束縛状態として存在するためには、ΛΛ-ΞN結合相互作用が重要であることが分かった。また、同時に、この核が束縛するためには、28MeV上に存在するNNNΞ閾値からみて、NNNΞ状態がどの位置に存在するかに依存することが分かった。したがって、^4H_<ΛΛ>の束縛状態の存在の有無の議論のためには、Ξハイパー核の構造研究も同時に重要であることが分かった。現在、NNNΞ系、及びNNΞ系についても平行して構造研究を進めている。^4H_<ΛΛ>やNNNΞ系、NNΞ系の詳細な構造研究については、平成16年度に引き続き行なう予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] E.Hiyama, Y.Kino, M.Kamimura: "Gaussian Expansion Method for Few-Body Systems"Progress in Particle and Nuclear Physics. 51. 223 (2003)
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[Publications] E.Hiyama, M.Kamimura, T.Motoba, Y.Yamamamoto, T.Yamada: "Few-body aspects of Hypernuclei"Few-Body systems Supplement. 14. 257 (2003)
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[Publications] E.Hiyama, E.Kamimura, T.Motoba, Y.Yamamoto, T.Motoba: "Few-body aspects of Light Hypernuclei"Nuclear Physics A. (印刷中).
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[Publications] E.Hiyama: "Weakly bound states in light hypernuclei"Few-Body systems. (印刷中).
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[Publications] E.Hiyama, M.Kamimura, T.Motoba, Y.Yamamamoto, T.Yamada: "Clustering aspects of light hypernuclei"Nuclear Physics A. (印刷中).