2003 Fiscal Year Annual Research Report
安定核から不安定核にいたる閉殻構造の破れの統一的記述
Project/Area Number |
14740176
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宇都野 穣 日本原子力研究所, 物質科学研究部, 研究員 (10343930)
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Keywords | 原子核構造 / 殻模型 / 魔法数 / 不安定核 |
Research Abstract |
不安定核のみで魔法数(閉殼構造)消滅が見られるメカニズムとして、核子間相互作用のスピン・アイソスピン依存性による殼進化を本研究代表者らが提唱してきた。これが本質的な役割を果たしているかどうかをNa同位体の構造を系統的に殻模型で計算することにより調べた。これまではN=20核以降でのみ魔法数消滅が起こると考えられてきたが、モンテカルロ殼模型計算と実験の電磁モーメントやエネルギー準位を比べることにより、実はN=19核で既に魔法数消滅が起きていることを見出した。この事実は、殼進化による殼ギャップエネルギーの狭まりが無ければ説明できず、不安定核のみで魔法数消滅が起きるメカニズムの重要な要因を与えている。 N=20領域で魔法数が消滅したのと同様、N=8領域でも魔法数消滅を示唆する実験事実が出始めているが、このメカニズムについても殼進化の概念が適用可能である。この領域の不安定核で特異的な現象の一つとして、^9C核の磁気モーメントが、その鏡像核の^9Liのものとアイソスピン対称性を用いることにより、異常に大きなスピン期待値を与えることが知られている。このメカニズムは長く不明であったが、殼進化によるN(Z)=8の殼ギャップの狭まりとトーマスエルマン効果によるアイソスピン対称性の破れの両者により、^9Cのみに魔法数消滅が見られ、見かけ上のスピン期待値の異常性が説明されることを示した。この成果も殼進化が不安定核の核構造に大きな影響を与えていることを示している。 前者の成果は論文としてほぼまとめ、近く投稿予定であり、後者の成果については既に論文投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Otsuka et al.: "Reply to "Comment on 'Magic Numbers in Exotic Nuclei and Spin-Isospin Properties of the NN Interaction'""Physical Review Letters. 91. 179202-1-1 (2003)
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[Publications] T.Hayakawa et al.: "Projectile Coulomb excitation of ^<78>Se"Physical Review C. 67. 064310-1-6 (2003)
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[Publications] M.Koizumi et al.: "Multiple Coulomb excitation experiment on ^<68>Zn"Nuclear Physics A. 730. 46-58 (2004)