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2002 Fiscal Year Annual Research Report

強磁性金属における量子コヒーレンス効果の研究

Research Project

Project/Area Number 14740212
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

八木 隆多  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60251401)

Keywords強磁性金属 / 量子コヒーレンス / 磁気抵抗測定 / UCF
Research Abstract

磁性金属のコヒーレンス長は、今なおどの程度の長さであるか未解決である。この点に関して昨年度までに、電子線リソグラフ法を用いた微細加工によって、強磁性金属であるニッケルおよびパーマロイのリング構造の試料を作成し、その特性を調べた。磁気抵抗の磁場依存性に再現性のある磁気抵抗振動を観測した。
今年度は、さらに研究を進め、さらに微細構造の試料を用いて極低温の磁気抵抗測定を行った。昨年度の結果から、コヒーレンス長は数十ナノメートル程度と予想されたので、今年度は、試料の寸法をさらに小さくして実験を行った。試料は線幅50nmで、四端子測定の電圧端子間の距離が70nm程度の非常に微細な構造の試料である。これまでにこれほど小さな構造の金属細線試料の測定は例がない。
極低温の磁気抵抗を測定したところ、やはり、磁場に対する周期の短い振動成分と、長い振動成分があることを観測した。測定に用いた希釈冷凍機が異なるために温度の安定度から、直接の比較はできないが、磁場に対する短い周期の振動が以前のものに比べ大きく観測された。短周期振動の原因のひとつの可能性は、UCFである。UCF効果は散乱体の分布に大きく依存し干渉パターンが変化する。表面に存在する反強磁性体のスピン状態が磁場の掃引でわずかな変化を受けて全体の干渉パターンを変化させている可能性がある。また、別の可能性としては、サブミクロンといわれている磁性体のドメイン構造が、実はもっと小さい可能性があり、それが磁場に依存して若干の磁気方位の変化をもたらしていることが、コヒーレンス干渉パターンの自由度を与えている可能性がある。
これらに関して現在、論文準備中である。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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