2002 Fiscal Year Annual Research Report
10GPaを超える静水圧発生装置の開発と新しい圧力誘起相転移の探索
Project/Area Number |
14740213
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大橋 政司 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10336000)
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Keywords | マルテンサイト変態 / 高圧装置 / 電子物性 / 超伝導 |
Research Abstract |
本年度の主な成果は以下のようにまとめられる。 1)超硬合金を使った圧力領域の拡大:現行の静水圧領域で到達圧力の最大値である2.2GPaをNi-Cr-Mo-Co合金を使って、3.5GPaへ上げることに成功した。この装置を使って、CeRh2Si2の圧力誘起相転位近傍における電気伝導や磁気抵抗効果を測定し、興味ある結果を得ることが出来た。 2)対向アンビルを用いた静水圧発生領域の拡大:一般的なピストンシリンダー方式は静水圧発生に有効だが発生可能圧力が低いため、対向アンビルでガスケットを押しつぶすブリッジマン方式を新たに採用して静水圧下での電気抵抗測定を試みた。この方式でより高い圧力を発生させるには、硬い金属製ガスケットを効率よく押しつぶすこと、圧力漏れを極力抑えることが必要である。我々はガスケットとしてSUS304合金を用い、加圧によってガスケットが横に広がるのを防ぐため、HRC40程度の硬いリングにガスケットをはめこんだ。リード線はWC製アンビルに穴をあけることによって取り出し、STYCASTで圧力シールを行った。これによって室温で8GPaまでの圧力発生に成功した。 3)対向アンビルを用いた高圧下粉末X線回折:ブリッジマンアンビルおよびダイヤモンドアンビルを用いて圧力誘起構造相転移の探索を行った。常圧で構造的に不安定なものとして低温でマルテンサイト変態をする金属間化合物GdCuを考え、X線回折を用いた高圧下に於ける結晶学的研究、マルテンサイト変態に伴う長さの変化、及びその圧力下の振る舞いを調べた。はじめにGdCuを取り上げた。実験結果はこの物質は体心立方格子を組んでおり、体積弾性率は3d遷移金属の半分にもならないことが分かった。また13GPaにおいて斜方晶への構造相転移が確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ohashi et al.: "Anomolous Electrical Resistivity of CeRh_2Si_2 near the Pressure-Induced Quantum Critical Point"Journal of Physical Society of Japan. Supplement. 22. 362-364 (2002)
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[Publications] F.Honda et al.: "High pressure apparatus for the measurement of thermal and transport properties at multi-extreme conditions"J.Phys.: Condens Matter. 14. 10501-10505 (2002)
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[Publications] M.Ohashi et al.: "Electrical Resistivity of single crystalline CeRh_2Si_2 under pressure"Physica B. 312-313. 88-90 (2002)
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[Publications] M.Ohashi et al.: "Effect of Pressure on the Magnetoresistance of CeRh_2Si_2"Trans.Magn.Soc.Jpn.. 2. 90-92 (2002)
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[Publications] G.Oomi et al.: "Relation between the Superconducting Transition Temperature and the Axial Ratio in RNi_2B_2C(R=Y, Ho, Er, Tm, Lu) under High Pressure"High Pressure Research. 22. 195-198 (2002)
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[Publications] G.Oomi et al.: "Effect of pressure on the superconductivity of RuSm_<1.4> Ce_<0.6> Sr_2Cu_2O_<10>"Physica B. 312-313. 88-90 (2002)