2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスペース中に束縛されたヘリウム4の超流動状態とその空間サイズ効果
Project/Area Number |
14740215
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴山 義行 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (20327688)
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Keywords | 超流動 / 活性炭素繊維 / サイズ効果 |
Research Abstract |
活性炭素繊維(Activated Carbon Fiber ; ACF)は面内サイズ約30Åのナノグラファイトの乱れた3次元ネットワークからなり,ナノポアと呼ばれる内径数〜数十オングストロームのナノスペースが発達したマイクロポーラスな物質である.そのため3000m^2g^<-1>にも及ぶ非常に大きな比表面積を持ち,様々な物質をそのナノポア中に吸蔵することができる.本研究では,ねじれ振り子法を用いることでACFのナノポア中に吸着した^4Heの超流動密度を測定し,超流動^4Heの空間サイズ効果について検討することを目的とする.平成15年度においては前年度作成・開発を行った高感度のねじれ振り子を用い,ACFに吸着した^4Heの,超流動密度の吸着量依存性の測定を行った.試料であるACFが繊維状の物質であるため,20mKにおけるQ値は62万程度と比較的小さく,ねじれ振り子への試料の固定方法には改善の余地があると思われる.吸着量23.7μmolm^<-2>以下では20mKまでの範囲では超流動は観測されなかった.これはグラファイト上への^4Heの吸着に換算すると1.1層吸着に相当し,グラファイトの場合と同様,第1層吸着は基盤との相互作用のため固相として存在していると考えられる.吸着量23.7μmolm^<-2>において約500mKにナノポア中に吸着した^4Heの超流動転移と思われる周波数シフトが観測された.この超流動転移点は吸着量を増加させても変化せず,30μmolm^<-2>以上の吸着量ではバルクの^4Heの超流動転移が観測されるようになる.ナノポア中の^4Heの超流動転移点が吸着量依存性を示さず,それ以上の吸着量においてバルクの^4Heの超流動転移が観測されることから,吸着量23.7μmolm^<-2>において既にナノポアが^4Heで完全に埋められていると考えられるが,ACFのナノポアの構造モデルとあわせ,より詳細な検討が必要と考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Haruguchi, et al.: "Production of cold metastable helium atoms in a cryostat"Physica B. 329-333. 34-35 (2003)
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[Publications] R.Sato, et al.: "Electrochemical Properties of Ar^+ Sputtered Polycrystalline Diamond Electrodes with Smoothed Surfaces"Chem.Lett.. 32(10). 972-973 (2003)
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[Publications] H.Isshiki, et al.: "Edge Magnetoplasma-like Resonance in Two-Dimensional Electrons on the Surface of ^3He-^4He Liquid Mixtures"Physica E. 未定. (2004)