2002 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴X線散乱によるf電子系CeB_6の反強四極子秩序状態の定量的解明
Project/Area Number |
14740217
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中尾 裕則 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70321536)
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Keywords | 軌道秩序 / 四極子秩序 / 希工類化合物 / 共鳴X線散乱 / 極低温実験 / 磁場中実験 |
Research Abstract |
本研究では、格子歪みを伴わない反強四極子(AFQ)秩序を示す典型例であるCeB_6に、共鳴X線散乱(RXS)手法を適用することにより、秩序化した軌道の波動関数を定量的に決定することを目的としている。そのために本年度は、次の3点の実験環境の向上を計った。 1.テンソルの定量化に必須であるアジマス角依存性の測定ができかつ、CeB_6のAFQ秩序の転移点(T_Q〜3.2K)以下の温度に到達できるクライオスタットを作製した。 2.1で開発したクライオスタット中で試料に磁場を印加するため、強力な磁石であるネオマックスにより磁場を印加する手法を開発した。この方法では、磁石や試料の加工が多少必要となるが、散乱強度のアジマス角依存性の観測が比較的容易に可能となるのがポイントである。 3.今回の研究の1つの柱は、超格子反射・蛍光X線散乱・基本反射強度のアジマス角依存性を用いた原子散乱因子テンソルの定量化手法である。しかしながら、微弱な信号であることもあり1つ1つの情報を別々に測定しているのでは、厖大な実験時間が必要となる。そこで、超格子反射や基本反射強度のアジマス角依存性の測定と蛍光X線強度のアジマス角依存性の同時測定を目指すために、新たにX線検出器を一通り揃えた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Nakao: "Quantitative Determination of the Atomic Scattering Tensor in Orbitally Ordered YTiO_3 by using a Resonant X-ray Scattering Technique"Phys. Rev. B. 66. 184419 (2002)
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[Publications] H.Nakao: "Charge and orbital ordered states in Nd_<1-x> Sr_<1+x> MuO_4 (x=0.67,0.75)"Physica B. (to be published). (2003)
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[Publications] T.Inami: "Orbital exitations in LaMnO_3 studied by resonant inelastic x-ray scattering"Phys. Rev. B. 67. 045108 (2003)
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[Publications] M.Mito: "Pressure effects on an organic radical ferromagnet: 2,5-difluorophenyl-nitronyl nitroxide"Phys. Rev. B. 67. 024427 (2003)
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[Publications] 中尾 裕則: "X線異常分散項を利用した電荷・軌道秩序構造の研究"放射光. 15・5. 276(10) (2002)
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[Publications] 松村武: "隠された秩序を探る -f電子系における反強四極子秩序"固体物理. 37・9. (2002)