2002 Fiscal Year Annual Research Report
非磁性原子からなるナノスケール磁性体の物質設計と物性解明
Project/Area Number |
14740227
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 晋 筑波大学, 物理学系(計算物理研究センター), 講師 (70302388)
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Keywords | Si(111)表面 / 磁性 / ナノ構造 / ナノチューブ / 半導体 |
Research Abstract |
密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算の手法を用いて、本年度は水素終端Si(111)表面上の水素原子をナノスケールで除去する事により、表面にハイスピン状態の実現可能性を予言した。また、得られた、磁性構造を構成単位として、1次元、2次元の無限ネットワークを構築する事により、表面全体がフェリ磁性となる事をみいだした。すなわち、我々は、今日の半導体テクノロジーにおいて、中心的な物質であるシリコン表面において、自身を構成単位とする事により、ナノスケールの非磁性原子のみからなる磁性体が実現される事をしめした。この事は、今日の半導体微細加工技術の進展に新たな可能性を与える重要な結果である。 一方、半導体として知られる、窒化ホウ素ナノチューブにおいて、多層構造を持つナノチューブの電子構造が、曲率の違いにより、興味深い多様性を示す事をあきらかにした.すなわち、2層のチューブおいて、内側のチューブの極率が外側より小さい事により、フェルミレベル近傍の状態が、外側の状態より大きく低エネルギー側にシフトし、その結果として、バンドギャップが、内側のコンダクションバンド底と外側のバレンスバンド上端の間に開く興味深い半導体となる事が明らかになった。このギャップ近傍の電子構造から、系が光材料の要素として応用が可能である事を予言した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Okada, A.Oshiyama, S.Saito: "Inter-wall interaction and electronic structure of double-walled BN nanotubes"Physical Review B. 65. 165410 (2002)
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[Publications] S.Okada, K.Shiraishi, A.Oshiyama: "Magnetic Ordering of Dangling Bond Networks on Hydrogen Deposited Si(111) Surfaces"Physical Review Letters. 90. 026803 (2003)
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[Publications] X.R.Chen, A.Oshiyama, S.Okada: "First-principles calculation for scanning-tunneling-microscopy images of Kr adsorbed on a monolayer graphite surface"Physical Review B. 67. 033408 (2003)
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[Publications] S.Okada, A.Oshitama: "Electronic and Geometric Structure of Multi-walled BN Nanotubes"Physica B. 323. 224 (2002)
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[Publications] A.Oshiyama, S.Okada: "Prediction of Electronic properties of Carbon-Based Nanostructures"Physica B. 323. 21 (2002)
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[Publications] M.Saito, M.Miyamoto, S.Okada: "heoretical identification of C20 fullerene and prediction of electronic properies of its solid phases"Molecular Crystal and Liquid Crystal. 386. 97 (2002)