2002 Fiscal Year Annual Research Report
厳密に解ける1次元電子系及びスピン系模型の熱力学と相関関数の研究
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14740228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
城石 正弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (80323632)
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Keywords | 厳密解 / ハイゼンベルグ模型 / ハバード模型 / 相関関数 / 相関距離 / ベーテ仮説方程式 / 熱力学 / 量子転送行列 |
Research Abstract |
厳密に解ける1次元の模型として、本年度はハイゼンベルグXXX模型とハバード模型を中心に研究を進めた。 まず、ハイゼンベルグXXX模型に関しては、最近高橋によって得られた熱力学を記述する新しい積分方程式を考察し、この方程式が熱力学諸量の高温展開に非常に有効であることを見出した。実際、我々は、比熱と帯磁率に関して、この積分方程式を用いてJ/Tに関して100次のオーダーまで高温展開を計算することに成功した。従来の連結クラスター法による展開では24次までしか計算されていなかったことを考えると、これは格段の進歩である。また、得られた高温展開とパデ近似を組み合わせることによって、十分低温の領域まできわめて高精度な物理量の計算が可能になった。 また、ハイゼンベルグXXX模型に関しては基底状態での相関関数の厳密な計算にもいくつか成功した。基底状態の相関関数に関しては、従来、神保らによる多重積分表示が知られたが、最近この多重積分が実際に計算できることが明らかになってきた。特に、我々はスピンがあるnサイトにわたって上を向いている確率P(n)(Emptiness Formation Probability)に注目し、n=5までのP(n)を積分表示から解析的に計算することに成功した。得られた表式にはゼータ関数の特殊値が現れるなど、数学的にも非常に興味深い。また、密度行列繰り込み群を用いてP(n)を数値的に計算し、nが大きいところではP(n)はガウシアン的に減衰することを見た。1次元ハバード模型に関しては、量子転送行列法を用いてハーフフィリングでの1粒子グリーン関数の有限温度における相関距離を計算した。とくに温度T⇒0では相関距離はスタフォード-ミリスの予想値に近づくことを確認した。この結果はギャップと相関距離との関係を議論する上で非常に重要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Umeno, M.Shiroishi, A.Kluemper: "Correlation length of the 1D Hubbard Model at half-filling : equal-time one-particle Green's function"Europhysics Lettters. (出版予定).
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[Publications] M.Shiroishi, M.Takahashi: "Integral Equation Generates High-Temperature Expansion of the Heisenberg Chain"Physical Review Letters. 89. 117201 (2002)
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[Publications] H.E.Boos, V.E.Korepin, Y.Nishiyama, M.Shiroishi: "Quantum correlations and number theory"Journal of Physics A : Mathematical and General. 35. 4443-4451 (2002)
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[Publications] 城石 正弘, 西山 由弘: "量子スピン鎖における新しい相関関数--emptiness formation probability--に関する最近の発展"物性研究. 79. 43-64 (2002)