2002 Fiscal Year Annual Research Report
原子捕獲に用いる可変型円環レーザー光発生に関する研究
Project/Area Number |
14740253
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
遠藤 雅守 東海大学, 理学部, 講師 (60317758)
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Keywords | 光共振器 / 原子捕獲 / モード / 共振器シミュレーション / axicon |
Research Abstract |
標記目的を達成するため,研究代表者が開発,使用していた「PaCS2D」光共振器シミュレーシュンコードの改良を行った.改良の結果,シミュレーションコードは光エネルギー進行方向に直角な任意のベクトル電場よりなる光ビームの記述が可能となった.このコードを利用して,W-axicon型光共振器のシミュレーションを行った.モデルとした光共振器は,円環型(toric)、ミラー,W-Axicon,そして平面,円形の部分透過鏡の三つの要素から構成されている.光共振器のモードは,円形の部分を出発,W-axiconで折り返されてtoricミラーで反射する.W-axiconの中心コーンは光軸に対して前後に動くと仮定した. 計算した光共振器の基本モードはユニークな構造を持っていることが明らかになった.共振器モードは,外周(toric部)のtoric Gaussianモードと,内周のLaguerre-GaussianモードがW-axiconで結合した形を持つが,外周モード次数が内周モードの次数-2のForward rotatingモード,外周モード次数が内周モードの次数+2のbackward rotatingモードの二つのモードが存在できることが明らかになった.そして,内側次数が同じ二つのモードは縮退しており,これらの合成が2n個の節と腹を持つ合成モードを形成することを明らかにした. 内側コーンの移動により,最も損失の低いモード次数が任意に制御可能であることを計算によって示した.計算によれば,中心コーンの2mm移動で,最低損失モードが4次から30次まで変化し,それに従ってドーナツ状ビームの中心空隙が大きくなることを示した. 約1mにわたりドーナッツ状を保つビームを生成可能であることを計算により示した.このビームは,f=1mのレンズで集光され,その焦点位置でもドーナツ状である. 以上の成果により,平成15年度より製作を開始する原子捕獲用円環ビーム発生共振器の基本設計案が得られた.
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