2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740255
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
森 嘉久 岡山理科大学, 理学部, 講師 (00258211)
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Keywords | 高圧 / リチウム / X線 / ダイヤモンドガスケット / 相転移 |
Research Abstract |
超高圧下で起こると予想されているリチウムの分子化の実験的実証を目指して、高圧下でのX線構造解析実験を行っている。散乱因子の小さいリチウムからの回折強度を高圧下でも確保するため、ダイヤテンドガスケットの手法を確立した。その結果、高圧下でも試料容積を確保することが可能になり、高圧下においても良質なX線回折線を得ることができた。またこれまでアンビルに用いているダイヤモンドとリチウムが高圧下で反応することによりダイヤモンドにクラックが入り実験が進まないという大きな課題があったが、これもダイヤモンドガスケットを使用することにより安定に高圧発生できることが明らかとなった。これはアンビルの単結晶ダイヤとの反応よりもガスケットに用いているダイヤモンド粉末との反応のほうが早いためと考えられる。この結果、これまで20GPaあたりで簡単に割れていたダイヤモンドが30GPaまで安定に昇圧することが可能になった。また回折側の台座をベリリウム製にすることによりリング状のデバイリングを取ることができ、結晶化や配向などが起きても見逃すことがないようにした。実験結果としてはこれまで報告されているように、7GPaでBCC相からFCC相に転移し、その後30GPaまでその相は安定に存在することが確認できた。今後はこれまでダイヤモンドとの反応により不可能といわれてきた50GPa以上のX線回折実験を上述の手法により克服して、さらに目標の100GPaあたりで起こると予想されているリチウムの分子化を目指す。
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