2003 Fiscal Year Annual Research Report
中性子スピン・エネルギー分析器を用いた中性子スピンエコー装置の開発研究
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14740257
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
奥 隆之 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 研究員 (10301748)
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Keywords | 中性子 / 中性子スピンエコー / 中性子検出器 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
本研究では、新しい分光器設計概念に基づく、中性子スピンエコー装置の開発研究を行う。中性子屈折レンズ(中性子化合物レンズまたは中性子磁気レンズ(六極磁石))と1次元中性子位置敏感検出器(1d-PSD)を用いて中性子スピン・エネルギー分析器を製作し、中性子スピンエコー装置のスピン分析部として用いる。中性子化合物レンズは、中性子屈折光学特性の優れた単結晶MgF2を用いて製作する。中性子磁気レンズとしては、強力ネオジム永久磁石を用いてHalbach型六極磁石を製作する。中性子ビーム軸上に設置する1d-PSDは、中性子スピン・エネルギー分析器に高いエネルギー分解能を付加し、さらに実用レベルの開口率を確保するためにその直径は0.5 1mmとする必要がある。また、パルス中性子への適用を考えた場合、検出器は時間分解能を有する必要がある。このように細く、時間分解能を有する検出器は、これまで開発された例がないため、中性子シンチレータ、光ファイバーおよび光電子増倍管を用いて製作する。 平成15年度、単結晶MgF2を用いて、角形両凹面レンズを設計・製作し、レンズ形状の評価を行った。また、中性子磁気レンズとして、強力ネオジム磁石を用いたHalbach型永久六極磁石を設計・製作した。中性子ビームを用いて、Halbach型永久六極磁石の中性子集光特性を実験的に評価した。また、実験と同条件の数値シミュレーションを行った結果、実験結果と計算結果が良く一致することがわかった。このことから、ほぼ設計通りの中性子集光特性が実現できていることがわかった。
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