2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性子スピン・エネルギー分析器を用いた中性子スピンエコー装置の開発研究
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14740257
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
奥 隆之 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 研究員 (10301748)
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Keywords | 中性子 / 中性子スピンエコー / 中性子検出器 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
本研究では、直接的に中性子のエネルギーを決定することが出来る中性子エネルギー分析器を用いた、新しい分光器設計概念に基づく中性子スピンエコー装置の開発研究に取り組んできた。中性子エネルギー分析器は、中性子屈折レンズと一次元中性子位置敏感検出器(1d-PSD)を用いて、構成することが出来る。その中性子屈折レンズとして、中性子化合物レンズと中性子磁気レンズ、それぞれを用いる場合について検討を行ってきた。その結果、スピンエコー装置として、既存の測定方法と比較して高い効率で測定を行うためには、エネルギー分析器が覆う立体角を通常の中性子検出器と同程度以上に大きくとる必要があることがわかった。この点において、中性子磁気レンズは、レンズの筐体が占める立体角に対して、中性子検出部の立体角の割合は小さく、不適当であることが分かった。そこで、大立体角をカバー出来るように最適化した角型形状の中性子化合物レンズを製作し、その中性子集光特性を中性子ビームを用いて実験的に評価した。その結果、ほぼ設計通りの中性子集光特性を確認することができた。そこで、この結果に基づいて、中性子スピンエコー実験を通常のセットアップで行った場合と、エネルギー分析器を用いて行った場合について、数値シミュレーションを行い測定効率を評価した。その結果、入射中性子ビームとして定常ビームを用いた場合で約10倍、パルスビームを用いた場合で約3倍、前者より後者の方が効率が高いことがわかった。
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