2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740260
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 知朗 東京大学, 地震研究所, 助手 (40323654)
|
Keywords | 海底地震計 / ヘリコプター / 圧力計 |
Research Abstract |
平成14年度の研究実施計画に基づき、新たな海底地震計のセンサー、レコーダー、切り離し装置、アンカーなどの各基本要素についての検討と、地震計試作後の比較実験の方法についての検討を行なった。特に今年度は、比較観測を行なうための予備実験に成功した。 今年度、従来の17インチガラス球1つを利用した海底地震計に、地殻上下変動の検出を目的とした小型の圧力計を付加した海底地震・圧力計をはじめて製作した。圧力計はコンパクトな円筒形容器2つに、センサー部およびデータロガー部、電源などを収納しており、本研究課題で作成をめざす地震計の形状に類似したものを使用している。この海底地震・圧力計を突発災害発生時における機動観測に、もっとも優れた輸送手段の一つと考えられるヘリコプターを利用して、茨城沖に2台設置することに成功した。2台の海底地震・圧力計は、100日間程度の観測の後、船を利用した装置の回収に成功し、地震記録および圧力記録ともに良好なデータを得ることができたことを確認している。本研究において地震計装置を試作した後は、動作確認が完了できた時点で、従来の海底地震計との比較観測を実施すべきであるが、その際の一つの方法として、今年度実施した海底地震・圧力観測装置の製作と実地観測の経験を利用することを検討している。ただし、圧力観測と地震観測では、要求される地面とセンサー部とのカップリングの状態などが異なることなどに起因して、全体の形状については考慮すべき点が残っている。
|