2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740260
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 知朗 東京大学, 地震研究所, 助手 (40323654)
|
Keywords | 海底地震計 / 緊急観測 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実施計画に基づき、新たな浅海用海底地震計用途のセンサー、レコーダー、切り離し装置、アンカー、電源、耐圧容器などの各基本要素についての検討をすすめるとともに、地震計の設置・回収方法や、あらたな地震計試作後の比較実験についての検討を行った。特に今年度は、平成15年十勝沖地震の発生を受けて行われた本震発生直後に大規模な海底地震観測を通じて、緊急観測時に観測機材に対して要求される諸条件の検討を行った。 2003年9月26日4時50分頃、十勝沖で気象庁マグニチュード8.0の地震が発生し、北海道で最大震度6弱が観測され、被害が発生した。地震調査研究推進本部によると、この地震により、釧路で1.2m、浦河で1.3m、八戸で1.0mなど、北海道から東北地方にかけての太平洋沿岸で津波が観測され、この地震の発震機構解は北西-南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震とされている。しかし震源の深さについては、震源決定機関により、ばらつきがみられ、過去に行われた構造調査の結果とも必ずしも調和的ではなかった。震源の位置を正確に把握することは、今回の地震の詳細を研究する上で重要な情報である。今回は本震後に発生する余震群を稠密海底地震観測で捉えることで、正確な余震分布を得ることができた。この観測を通じて、観測前の準備作業手順の簡素化方法、輸送方法や設置法、設置前の準備作業手順などについて検討した。
|