2002 Fiscal Year Annual Research Report
海洋大循環データ同化システムを用いた大気海洋カップラの開発研究
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14740274
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 洋一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70335298)
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Keywords | データ同化 / 海洋大循環モデル / バルク法 / 海氷モデル / adjoint法 / 評価関数 |
Research Abstract |
海洋大循環データ同化システムを用いて大気海洋カップラの改良を行うために、まず以前に構築したデータ同化システムの主要コンポーネントである海洋大循環モデルの改良を行った。昨年度までに開発した海洋大循環モデルは海面の境界条件として直接フラックスを与えるものであったが、境界条件として大気温、海上風などを与え、大気海洋間のフラックスをモデルで予報された海面水温を用いて計算するように改良した。この改良により、大気海洋カップラを海洋大循環モデルに埋め込んだいわゆる半結合型のモデルとなったため、データ同化システムを用いたカップラの改良に適用可能な数値モデルを作成することができた。また、同時に特に高緯度域での循環場の再現性を高めるために熱力学および力学過程を含んだ海氷モデルを開発し、海洋大循環モデルと結合させた。このモデルを気候学的な季節変動をする大気データを与えて駆動したところ、海氷の変動を含めて十分に現実的な海洋循環場を再現することができた。次年度はこのモデルを用いたデータ同化システムを構築して、より現実的な循環場を再現するために特にバルク法のパラメタ推定を中心にいくつかの同化実験を行う予定である。 さらに、adjoint法を用いたデータ同化システムにおいて非常に重要な課題である評価関数の重みの決定法について、複数の数値モデルの結果を用いて制御変数の誤差と観測値の誤差をことにより、厳密に評価関数の重みを決定可能な手法を開発した。この方法は、従来はほとんど考えられていなかった数値モデルの不十分さに起因する誤差についても考慮に入れており、制御変数の自由度が変わることによって推定誤差が異なることを評価できるため、パラメタ推定を行う実験に最適な方法である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Komori, N., T.Awaji, Y.Ishikawa, T.Kuragano: "Short-range forecast experiments of the Kuroshio path variabilities south of Japan using TOPEX/Poseidon altimetric data"J. Geophys. Res. 108(C1). JC001282 (2003)
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[Publications] Y.Ishikawa, T.Awaji, T.Nakamura, T.Toyoda: "Effects of Tidal Mixing at the Kuril Straits on the North Pacific"Eos. Trans. AGU, West. Pac. Geophys. Meet. Suppl.. 83(22). OS52A-07 (2002)
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[Publications] T.Toyoda, Y.Ishikawa, T.Awaji, Y.Noh: "Modeling of North Pacifc subsurface water using and OGCM with advanced physical schemes"Eos. Trans. AGU, West. Pac. Geophys. Meet. Suppl.. 83(22). OS52A-04 (2002)