2003 Fiscal Year Annual Research Report
古地磁気の高密度層序変化から西南日本の回転移動時期を解く
Project/Area Number |
14740291
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
星 博幸 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90293737)
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Keywords | 古地磁気 / 西南日本 / 中新世 / 設楽層群 / 岩石磁気 / 放射年代 |
Research Abstract |
本研究は2年計画であり,本年度は残留磁化測定,岩石磁気学的検討,データ解析に重点を置いた. 愛知県鳳来町の川売セクションで地質調査を行い,岩相層序と地質構造の理解に努めた.本ルートの中新統(設楽層群)は,下半部が凝灰質な砕屑岩(北設亜層群の門谷層)からなり,上半部が珪長質火山岩類(南設亜層群の尾籠層,大島川層,明神山層,鳳来湖層)からなる.古地磁気方の傾動補正に必要な地層傾動に関するデータを全層準から得ることができた.門谷層は18〜17Ma前後に形成されたらしいこと,及び南設亜層群は約15Maに短期間のうちに一気に形成されたことがFT年代測定によりわかった. 昨年度充実させた磁気測定装置を用いて残留磁化測定と岩石磁気実験を行った.サンプルは合計40地点から採取された.詳細な段階消磁を適用することで,門谷層砕屑岩の7地点,北設亜層群火山岩類の22地点,合計29地点で,傾動補正された地点平均古地磁気方位が決定された. 門谷層の古地磁気方位は逆帯磁を示し,偏角は約30゜の時計回り偏向を示した.伏角は本地域で期待される値とほぼ同じであった.このことは門谷層の堆積(18〜17Ma)以降に本地域で約300の時計回り回転運動が起こったことを示す.それに対し,南設亜層群(15Ma)の古地磁気方位は正帯磁と逆帯磁の両方があり,偏角は有意な偏向を示さなかった(伏角は期待値とほぼ一致).従って,調査地域での時計回り回転は約17Ma〜15Maに限定される.この回転は日本海の形成に関連する西南日本の回転運動であると考えられ,本研究によりその年代が明瞭になった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 星博幸, 亀井春美: "陸上に露出する無層理堆積物の初磁化率(帯磁率)による対比:静岡県,更新統佐浜泥部層の例"地質学雑誌. 109(12). 697-709 (2003)
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[Publications] 星博幸, 三輪健治, 川上裕: "古地磁気方位の比較からみた熊野酸性岩類北部と南部及び室生火砕流堆積物の時間関係"地質学雑誌. 110(2). 103-118 (2004)