2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動により螺旋構造へ折りたたまれるπ共役系オリゴマーの設計と構築
Project/Area Number |
14740347
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西長 亨 京都大学, 化学研究所, 助手 (30281108)
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Keywords | 電子移動 / 螺旋構造 / π共役系 / オリゴマー / 一電子酸化 / ジチイン / チオフェン / フラン |
Research Abstract |
1.両末端に1,4-ジチインを組み込々だm-キンクフェニレン1を合成し、その酸化還元挙動についてサイクリックボルタメトリーにより検討したところ、+0.43 V vs Fc/Fc^+に擬可逆な酸化波が認められ、2個のジチイン環は同時に酸化されるが、その還元波が通常よりやや遅れて現れることがわかった。この現象は部分構造であるジフェニルジチインでは観測されなかったことから、1において生成した2個のジチインラジカルカチオンは分子内で相互作用していると考えられる。 2.3,4-ジメチル-2-(2'-フリル)チオフェンの理論計算(B3LYP/6-31G*)の結果から、フランとチオフェンがcisoid型に結合したコンフォマーがtransoid型に比べて、0.51kcal/mol安定であることが明らかとなった。このことからチオフェンのベータ位にブチル側鎖にもつチエニルフランオリゴマー2は無極性溶媒中で主鎖が疎溶媒的に折りたたまれることによって、さらにcisoid型が安定化され、緩やかなall-cisoid、すなわち螺旋構造のコンフォメーションをとるものと予想される。このオリゴマーについて段階的なクロスカップリング法により、フランとチオフェンを交互に連結してゆきチエニルフラン4量体までのオリゴマーの合成が可能であることがわかった。また、電子的性質については酸化電位および長波長シフト共に、交互に連結させることにより対応するチオフェンのみ、およびフランのみからなるオリゴマーの中間の性質を示すことが確かめられた。 3.オリゴ(フリルチオフェン)の2量体および3量体の合成方法を確率し、特に3量体がオリゴチオフェンにと同程度のFET特性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Nishinaga, D.Yamazaki, H.Stahr, A.Wakamiya, K.Komatsu: "The 1,2-Dithiin Annelated with Bicyclo[2.2.2]octene Frameworks. One-Electron and Two-Electron Oxidations and Formation of a Novel 2,3,5,6-Tetrathiabicyclo[2.2.2]oct-7-ene Radical Cation with Remarkable Stability Owing to a Strong Transannular Interaction"Journal of the American Chemical Society. 125. 7324-7335 (2003)
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[Publications] A.Wakamiya, D.Yamazaki, T.Nishinaga, T.Kitagawa, K.Komatsu: "Synthesis and Properties of Novel Oligothiophenes Surrounded by Bicyclo[2.2.2]octene Frameworks"The Journal of Organic Chemistry. 68. 8305-8314 (2003)
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[Publications] T.Nishinaga, A.Wakamiya, D.Yamazaki, K.Komatsu: "Crystal Structures and Spectroscopic Characterization of Radical Cations and Dications of Oligothiophenes Stabilized by Annelation with Bicyclo[2.2.2]octene Units : Sterically Segregated Cationic Oligothiophenes"Journal of the American Chemical Society. 126. 3163-3174 (2004)
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[Publications] T.Nishinaga, Y.Miyata, N.Nodera, K.Koniatsu: "Synthesis and properties of p-benzoquinone-fused hexadehydro[18]annulenes"Tetrahedron. 60. 3375-3382 (2004)
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[Publications] 西長 亨: "π電子系カチオン種の化学の新展開-強固な炭素骨格縮環による不安定種の安定化-"化学と工業. 57. 107-110 (2004)