2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクロスピン系金属錯体の秩序的配列による機能性ナノ空間の創製
Project/Area Number |
14740360
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
廣津 昌和 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30312903)
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Keywords | 多核金属錯体 / マクロスピン / 二核化配位子 / シッフ塩基二量体 / ナノ空間 / 不斉触媒 |
Research Abstract |
1.キサンテン骨格で架橋されたシッフ塩基二量体錯体の合成 二分子のサリチルアルデヒドを9,9-ジメチルキサンテンの4位と5位で連結したキサンテン架橋ビス(サリチルアルデヒド)と1,2-phenylenediamineとの反応により、シッフ塩基二量体配位子を合成し、さらに、酢酸マンガンと反応させることにより、マンガン(III)二核錯体を合成した。この錯体の単結晶X線構造解析を行い、ナノ空間を有する環状構造をとっていることを明らかにした。ビス(サリチルアルデヒド)と(1R,21)-1,2-cyclohexanediamineとの反応では環状配位子は得られなかったが、金属イオンを用いたテンプレート反応により、光学活性なマンガン(III)二核錯体を単離することに成功した。この錯体についても結晶構造を決定し、キラルナノ空間を有する環状構造をとっていることを明らかにした。また、これらの錯体の分光学および電気化学測定を行い、その基本的性質を解明した。 2.マンガンシッフ塩基二量体錯体の反応性 光学活性なマンガンシッフ塩基二量体錯体を触媒として、スルフィドの不斉酸化反応を行った。メチルフェニルスルフィドを基質とし、ヨードソベンゼンを酸化剤として反応を行ったところ、対応する単核錯体と同様に反応が進行したが、不斉収率は低かった。しかしルイス塩基の存在下で反応を行った場合には、二核錯体に対して特異的に不斉収率の向上が見られた。 3.キサンテン骨格により架橋されたチタン二核錯体の合成 N_2O_2を配位原子とする三脚型四座配位子の4族遷移金属錯体は、高いオレフィン重合触媒活性をもつことが知られている。そこで三脚型四座配位子をキサンテン骨格により架橋した新規二核化配位子を合成し、そのチタン(IV)二核錯体を合成した。さらに、温度可変NMRスペクトルを測定し、その溶液内挙動を明らかにした。
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Research Products
(5 results)