2002 Fiscal Year Annual Research Report
立体選択的光誘起電子移動反応のポテンシャル依存性とマーカス理論による解析
Project/Area Number |
14740366
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
濱田 泰輔 熊本大学, 工学部, 助手 (10253717)
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Keywords | 光反応 / 電子移動反応 / 立体選択性 / マーカス理論 / 光誘起電子移動反応 / ルテニウム錯体 |
Research Abstract |
立体選択的光誘起電子移動反応を行うために新たな光学活性光増感剤と、種々の電子受容体を分子設計した。下記のように作成し、さらに、それぞれの特性評価を行った。 1 光増感能を有する新規光学活性ルテニウム(II)錯体の作成 (1)光学活性置換基を有するビピリジン型共役配位子の合成 2,2'-ビピリジンの4,4'-位に光学活性置換基をエステル結合により導入した光学活性ビピリジン配位子を合成した。 (2)トリスビピリジン型ルテニウム(II)錯体の合成と物理化学特性の評価 (1)により作成した光学活性ビピリジン配位子を用いて、新規なルテニウム(II)錯体を作成した。これらのルテニウム(II)錯体の酸化還元電位をはじめとする電気化学特性および光励起寿命や吸収および発光スペクトル等の光化学特性を測定し、光誘起電子移動反応における光増感剤としての性能の評価を行った。 2 電子受容体として種々の特性を有するビオローゲン誘導体の作成 (1)メチルビオローゲン類似物の合成 4,4'-ビピリジンを種々のハロゲン化アルキルあるいはハロゲン化アリルにより4級化することにより種々のビオローゲン誘導体を作成した。有機溶媒中での使用のためヘキサフルオロリン酸塩として取り出した。 (2)メチルビオローゲン類似物の物理化学特性の評価 (1)により作成したビオローゲン誘導体の酸化還元電位および吸収および発光スペクトル等の光化学特性を測定し、光誘起電子移動反応における電子受容体としての性能の評価を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Taisuke Hamada: "Kinetic Study of Photo-induced Electron Transfer Reaction between Ruthenium (II) Complexes of 2,2'-Bipyridine Derivatives and Methylviologen. Effects of Bulky Substituent Introduced to 2,2'-Bipyridine"Dalton Transactions. 2003. 692-698 (2003)