2002 Fiscal Year Annual Research Report
円偏光依存ラマン散乱分光法による電界配向したポリ乳酸における光機能性の研究
Project/Area Number |
14740380
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
杉田 篤史 静岡大学, 工学部, 助手 (20334956)
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Keywords | 電界配向効果 / 粘性効果 / ラマン散乱分光 / 光機能性 / 偏光依存性 / 時間分解分光 |
Research Abstract |
生分解作用を示すポリ乳酸は環境適合性材料の有望な侯補として、近年大きな注目を集めている。従来の研究より、溶融状態のポリ乳酸へ直流電界を印加すると、高分子主鎖が電界方向に沿って配向するという現象を見出した。本研究の目的は、ラマン散乱分光法を始めとする分光学的手法を用いることにより、ポリ乳酸における電界配向効果の基礎メカニズムを解明することである。巨視的視点からの動力学過程の調査として偏光顕微鏡によって観測される複屈折率を空間および時間分解して計測した。実験の結果、複屈折率の時間変化は冪関数によってよく近似され、また配向に要する時間はおよそ30秒程度であることが確認された。冪関数的に従う動力学仮定は、簡単なRouse鎖モデルより推測される過程とよく一致するものである。微視的視点、即ち高分子鎖のセグメントレベルでの動力学過程の調査を行うためにラマン散乱分光法は有効な手段であると考えられる。14年度はこの目標を実現するためラマン散乱分光装置の開発を行った。光源は空冷アルゴンレーザー(励起波長514.5nm、20mW)を用いた。マルチチャンネル分光器(焦点距離=500mm、回折格子=1800gr/mm)と液体窒素冷却CCDカメラとをあわせた検出系を利用することにより、開発された分光装置ではラマン散乱スペクトルを周波数分解能0.5cm^<-1>以下での計測を実現した。予備実験として乳酸モノマーのラマン散乱分光測定を実施した。15年度はこの分光分析装置に波長板を組み込むことによりラマン信号の偏光解消性の観測が可能となるように拡張し、電界配向したポリ乳酸の光機能性を調査する予定である。
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