2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740381
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡崎 俊也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90314054)
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Keywords | 金属内包フラーレン / FET / EELS / カーボンナノチューブ / TEM / ピーポッド / 熱フィラメントCVD |
Research Abstract |
(1)金属内包フラーレンをドープした単層ナノチューブ(SWNT)、ピーポッドを合成することに世界で初めて成功した。ガドリニウム金属内包フラーレン(Gd@C_<82>)を含んだSWNTの走査トンネル分光測定を行ったところ、半導体SWNTのバンドギャップがナノメートルスケールで変化していることがわかった。これはこの物質が量子ドットをもつナノワイヤーとして非常に有望であることを示している。また、ナノスケールのサンプルセルとしても有用であることも実験的に示した。また、ピーポッドをチヤンネルとして用いた電界効果型トランジスタ(FET)を製作し、これらの半導体特性を調べた。SWNTをチャンネルとして用いた場合、p型半導体特性を示すことはよく知られている。一方、ピーポッドを用いた場合は、p型とn型の両方の特性を併せ持つ両極性型の特性を持つことがわかった。そしてその振る舞いは内包させるフラーレンの種類に大きく依存することがわかった。これら一連の研究は国内外で高く評価され、アメリカ電気化学会年会などで依頼講演を行った。 (2)熱フィラメントCVD法を用いて、フラーレンおよびカーボンナノチュ-ブを合成することに成功した。従来、フラーレンやカーボンナノチューブは、減圧下の不活性ガス雰囲気中において、炭素および金属触媒を用い、直流アーク放電やレーザー蒸発をすることによって、合成されていた。しかし、これらの方法では原料に比較的高価なグラファイトを用い、また生産量も限られているため、それらに代わる安価な大量合成法が望まれていた。トルエンなどの有機溶媒を燃やす燃焼法によって、フラーレン合成が行われているが、この方法では金属などを内包した金属内包フラーレンを合成することは難しい。このように従来法では困難であった、合成効率のよい、安価なフラーレン、カーボンナノチューブ合成法として、熱フィラメントCVD法を開発した。この方法では、低圧下の有機溶媒蒸気中で金属フィラメントを通電加熱して、有機分子を熱分解し、フラーレンおよびカーボンナノチューブを合成する。フラーレン類を合成する場合にはトルエンなどの芳香族を用い、ナノチューブを合成する場合にはアルコールを主に用いる。既に同製法に関する特許も出願済みで、企業からの問い合わせも幾つか届いている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Okazaki, T.Mizutani, Y.Kuk, H.Shinohara et al.: "Electronic Properties of Gd@C_<82> Metallofullerene Peapods : (Gd@C_<82>)_n@SWNTs"Appl. Phys. A. (印刷中). (2003)
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[Publications] K.Suenaga, T.Okazaki, H.Shinohara, S.Tijima et al.: "Direct Imaging of Sc_2@C_<84> Molecules Encapsulated Inside Single-Wall Carbon Nanotubes by High Resolution Electron Microscopy with Atomic Sensitivity"Phys. Rev. Lett.. 90. 05506 (2003)
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[Publications] T.Shimada, T.Okazaki, H.Shinohara, T.Mizutani, et al.: "Ambipolar Field-Effect Transistor Behavior of Gd@C_<82> Metallofullerene Peapods"Appl. Phys. Lett.. 81. 4067-4069 (2002)
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[Publications] T.Okazaki, K.Suenaga, S.Iijima, H.Shinohara et al.: "Electronic and Geometric Structures of Metallofullerene Peapods"Physica B. 323. 97-99 (2002)
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[Publications] B.Cao, K.Suenaga, T.Okazaki, H.Shinohara: "Production, Isolation and EELS Characterization of Ti_2@C_<84> Di-Titanium metallofullerenes"J. Phys. Chem. B. 106. 9295-9298 (2002)
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[Publications] J.Lee, T.Okazaki, H.Shinohara, Y.Kuk et al.: "Band Gap Modulation of Carbon Nanotubes by Encaptured Metallofullerenes"Nature. 415. 1005-1008 (2002)
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[Publications] 岡崎俊也, 篠原久典: "ナノテクノロジーハンドブック 1編 創る 2章 ナノ構造の作製とその特性"オーム社(印刷中). (2003)