2002 Fiscal Year Annual Research Report
天然水中難分解性・準分解性および易分解性有機炭素のHPLCによる定量法の開発
Project/Area Number |
14740406
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉山 裕子 姫路工業大学, 環境人間学部, 助手 (40305694)
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Keywords | 溶存有機炭素 / 分子量分画 / 琵琶湖 |
Research Abstract |
2002年度は、琵琶湖水中における溶存有機炭素(DOC)の分布を観測するとともに、GPCと蛍光検出器あるいはフォトダイオードアレイ検出器により得られる分子量ピークを有機炭素現存量に換算する可能性を探る目的で、タンジェンシャルフロー式限外濾過装置を用いて分子量分画を行った。 DOCは、循環期(1月〜2月)に表層から底層まで一定値(1.1〜1.2 ppmC)を示した。成層期には表層と底層で濃度の変動が見られ、底層水(40m〜bottom)では年間を通じて1.2〜1.4ppm)で変動は少なかったが、表層では夏季に底層水に対して0.4ppm程度の有機炭素の付加が見られた。 2002年4月16日に採取した琵琶湖水を用いて、分子量50kDa,5kDaの二種類の限外濾過膜を併用し、DOCを高分子量(a>50kDa)、中分子量(50kDa>b>5kDa)、および低分子量(c<5kDa)の三分画に分け、その鉛直方向の分布を調べた。a分画は鉛直方向の濃度の変動が見られ、表層で約0.4ppmと比較的高濃度を示したが、底層では0.2ppmに減少した。b分画は表層で0.3ppm、底層で0.2ppmを示した。c分画については、0.3〜0.5ppmと他の分画に比較して高濃度で存在したが、明確な鉛直方向での濃度変動は見られなかった。現在それぞれの分画のHPLCによる分析と、三次元蛍光スペクトルの測定により、各分画を構成する有機物の推定と分子量の分布を精査しているところである。
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