2002 Fiscal Year Annual Research Report
両生類幼生変態過程における新規性プロテアーゼ(プロテアーゼT1)遺伝子の発現制御
Project/Area Number |
14740457
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大房 健 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50243548)
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Keywords | プロテアーゼ / アクチン / アクチン分解 / 変態 / 尾部退縮 / 筋分解 / カラムクロマトグラフィ / ウシガエル幼生 |
Research Abstract |
変態期に分解されるウシガエル幼生の尾部よりタンパク質を抽出し、本林・吉里らによって見いだされたactinを優先的に分解する酵素の単離精製を目指した。まず、粗酵素抽出液は変態期の尾部の筋肉から調製し、精製の開始材料とした。当該酵素は、actin分解活性を指標として精製した。actin分解活性の有無は酵素標品とactinを混合しSDS及び2ME存在下で一定時間25℃で保温した後で、電気泳動を行い分解活性によるactinの減少を確認することで確認可能であることが知られている。本酵素は極めて活性が高く、組織中には微量しか存在しないことが本林らの研究から明らかとなっっている。 これとは別に、動物性レクチンの1種であるガレクチンは筋肉組織中に大量に存在しており、本林らの報告にある当該酵素の分子量と近接している上に、予備実験によると幾つかのクロマトグラフィ用担体に結合する性質も同じであり、精製には困難が予想されてた。しかし、ガレクチンの糖鎖結合性を利用して、アシアロフェツインを固定化したアフィニティ担体を用いることでかなりの割合のガレクチンを除去することが可能であるが、完全な除去は難しかった。しかし、我々が作製したウシガエルガレクチンに対する抗血清から精製したイムノグロブリン分子をクロマト樹脂に固定化した担体を用いることでガレクチンを除去することが可能であった。申請書の研究計画に記載したとおり、現在、精製の中途段階である。年度途中で、大学を辞職することになったため科学研究費という枠組みの中で、本研究を継続することが不可能なため、精製中途にて報告書を提出することとなったが、この研究は今後も継続し、成果を得て、学術誌に掲載することを予定している。
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