2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740472
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神谷 充伸 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助手 (00281139)
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Keywords | サプレッションPCR / サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション / 磁気ビーズ / 紅藻 / 果胞子体 |
Research Abstract |
紅藻Glacilariopsis lemaneiformisの果胞子体組織に特異的に発現する遺伝子の探索を行い,3つの遺伝子(Glem-carp1,2,3)を特定したが,日本に生育している他の紅藻類の核においてこれらの遺伝子がコードされているかどうか確認した。ツルシラモ,カバノリ,ユカリ,キントキ,テングサヤドリ,フタツガサネ,ハネイギス,ササバアヤギヌ,ウラソゾ,モリモトソゾマクラ,ベンテンモの11種からgenomic DNAを抽出し,12対のプライマーを用いてPCRを行ったところ,ツルシラモのみでGlem-carp1,3と同じ長さのバンドが増幅された。Glacilariopsis lemaneiformisは日本では入手しにくいため,ツルシラモ(Gracilaria chorda)をその後の研究材料にすることにした。Glacilariopsis lemaneiformisの果胞子体組織で特異的に発現している2つの遺伝子(Glem-carp1,3)は,ツルシラモの果胞子体組織において同様に発現していたが,Gcho-carp1には696DNA塩基中139塩基(アミノ酸は41塩基)の塩基置換と9DNA塩基の欠失が確認された。一方,Gcho-carp3には440DNA塩基中140塩基(アミノ酸は64塩基)の塩基置換と3DNA塩基の欠失が確認された。これらの塩基配列をもとに相同性検索(blastX)を行ったが,既知のどの遺伝子とも相似性はみられなかった。これらの結果から,どちらの遺伝子も保存性が低く,分類群によって機能や局在性などが異なる可能性がある。現在,これらの配列を元にGST融合タンパクを作成し,大腸菌で大量発現させている。今後,抗体を作成してウエスタンプロッティングやin situハイブリダイゼーションを行い,発現場所や発現時期の特定を目指す。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mitsunobu Kamiya: "Evolutionary relationships of the genus Caloglossa (Delesseriaceae, Rhodophyta) inferred from large-subunit ribosomal RNA gene sequences, morphological evidence and reproductive compatibility, with description of a new species from Guatemala"Phycologia. 42巻・5号. 478-497 (2003)
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[Publications] Mitsunobu Kamiya: "Phylogeography of Caloglossa leprieurii and related species (Delesseriaeceae, Rhodophyta) based on the rbcL gene sequences"Japanese Journal of Phycology. 未定. (2004)
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[Publications] Tomomi Yano: "Morphological homoplasy in the Japanese Plocamium species (Plocamiales, Rhodophyta) inferred from the Rubisco spacer sequence and intracellular acidity"Phycologia. 未定. (2004)
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[Publications] 竹内均 監修: "地球環境調査計測事典 第3巻・沿岸域編"フジ・テクノシステム. 1297 (2004)