2003 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル磁性金属薄膜の面方位・積層構造制御による磁気光学効果増大の研究
Project/Area Number |
14750001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中島 伸夫 弘前大学, 理工学部, 助手 (90302017)
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Keywords | 磁性金属薄模 / シリサイド / in situ磁気光学効果測定 |
Research Abstract |
超高真空中で通電加熱処理により清浄面を出したp-Si(100)基板上に、Feを数100Å程度蒸着した。但し、FeはSiとは容易に固溶体(シリサイド)を形成することが知られており、これを防ぐためにバリア層としてAlを1000Å程度蒸着した。Feの蒸着はevapolatorで、Alの蒸着はe-gunでそれぞれ行い、水晶振動子により蒸着量を見積もった。チェンバーのベース圧は〜10^<-8>Pa、蒸着中の真空度はどちらの場合も<〜10^<-6>Pa、蒸着レートは〜1Å/秒であった。 Al蒸着後、通電過熱により200〜300℃程度で数秒アニール処理することにより、良好なRHEEDパターンが再現し、この段階で取り出した試料のXRD測定では、[100]方向に成長した良好なAl蒸着膜が確認された。この上にFeを蒸着したが、蒸着量が少なかったこともあり、若干RHEEDスポットがぼやけた程度で、比較的良好な結晶性が期待された。これは、XRDの結果からも同様である。(歪んだbcc-Fe(100)が期待された。) 磁気光学効果の測定に関しては、チェンバーに組み込んだin situ磁気光学効果測定用の電磁石が弱く(〜100Oe)、明瞭な磁気カーループは測定されなかったが、Fe蒸着量の増加に従って、カー回転角の最大値が増大していく傾向にあることは確かめられた。 膜厚が薄い場合の蒸着膜の結晶面は、基板に用いるSiのそれに対応して変化するものと考えられる。Si基板の結晶面を変え、かつ電磁石の増強により当初の目的である面方位に依存した磁気光学効果について最終的な知見が得られるものと予想する。
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