2002 Fiscal Year Annual Research Report
任意の液晶分子配向パターンを形成する新規な微小領域ラビング処理技術の開発
Project/Area Number |
14750016
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 道則 秋田県立大学, システム科学技術学部・電子情報システム学科, 助手 (90325944)
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Keywords | 液晶 / ラビング処理 / 液晶分子配向 / 液晶回析格子 / マイクロラビング / 回析格子 |
Research Abstract |
1.マイクロラビング処理における摩擦仕事と液晶分子配向状態の関係 これまで,ラビングの強さと液晶分子配向状態の関係を調べることによって液晶分子配向機構が考察されてきた.そこで,筆者は微小領域を微小な荷重でラビングするマイクロラビング処理を提案し,微小荷重領域におけるラビングの強さと液晶分子配向状態の関係を考察した.その結果,液晶分子配向状態はマイクロラビング処理における摩擦仕事にのみ依存することが分かった.また,液晶分子配向状態を制御するためにはある値よりも大きな摩擦仕事を与える必要があることも明らかとなった.すなわち,液晶分子配向を誘起するためには高分子配向膜に塑性変形を生じさせる必要がある.このような知見は従来のラビング処理法では確認することが非常に困難であり,マイクロラビング処理法によって初めて明らかとなった結果である. 2.マイクロラビング処理の偏光無依存型液晶回折格子への応用 マイクロラビング処理法を用いると,数μmから数十μm程度の分解能の液晶分子配向パターンを得ることができる.そこで,異なった2つの液晶分子配向領域(ホモジニアスおよびツイステッドネマティック配向)をストライプ状に配置した液晶回折格子を作製した.光学的特性を測定したところ,以下の結果が得られた. (1)しきい電圧以下の低い印加電圧の場合(低電圧領域)と2V程度以上の高い印加電圧の場合(高電圧領域)において回折効率は入射光の偏光方向に依存しない(偏光無依存性)ことが分かった. (2)ある印加電圧(高電圧領域)において回折効率が理論限界(1次光で0.405)に達し,そこから印加電圧を増加させると回折効率が徐々に減少することが分かった.すなわち,高効率かつ印加電圧により制御可能な偏光無依存型液晶回折格子を実現することができた.
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