2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750017
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
六車 仁志 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (20309719)
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Keywords | 生体模倣 / エバネッセント / 光ファイバー / 鋳型重合法 / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、生体模倣(バイオミメティック材料)を薄膜ナノ構造化、集積化したチップの開発を目的とする。生体模倣材料は、鋳型重合法によって作製する。鋳型重合法は、基質に類似した形の化合物である鋳型分子(認識させたい物質)をその鋳型分子と相互作用するような化合物(機能性モノマー)と共に重合させ、その後に鋳型分子のみを取り除くものである。ここで得られたポリマー材料は鋳型分子の形状と化学的性質を記憶しており、その構造類似体である鋳型分子と特異的に相互作用する。 第二年度は、この生体模倣材料をエバネッセント領域を用いてナノ加工し、センシングシステムを構築した。そのために、光ファイバを利用した。多モードのシリカ光ファイバのクラッド層を薬品処理によって取り除き、光ファイバを約20cmに切断し、反応溶液に浸す。こ光ファイバーに360nmのアルゴンイオンレーザ光を光ファイバの中を通す。光は、ファイバ中のコアと反応溶液の境界を全反射しながら進むが、全反射の際にレーザー光は溶液の部分にも漏れ出ており、この部分に重合反応が起こり、生体模倣材料がクラッド層として形成される。その後、酢酸/メタノールの混合溶液で光ファイバーを洗浄した。測定は、アトラジン1mMのクロロホルム液を流したところ、光強度が減少した。これは、アトラジンがクラッド層に結合し、クラッド部分の屈折率が変化し、光ファイバ中を伝わる光の伝搬モードが変化し、結果として光強度が減少したと考えられる。アトラジンと類似の化合物であるトリアジン化合物を流したところ、光強度の変化はアトラジンを流したときよりもはるかに少なかった。したがって、生体模倣材料が形成され、その機能を果たせていると言える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Muguruma, T.K.Saito, S.Hotta: "Conformational polymorphs in vacuum evaporated thin film of 5,5'''-bis[(2,2,5,5-tetramethyl-1-aza-2,5-disila-1-cyclopentyl)ethyl]-2,2':5',2'':5'',2'''-quaterthiophene"Thin Solid Films. 445・1. 26-31 (2003)
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[Publications] H.Muguruma, K.Matsumura, S.Hotta: "Vapor polymerization deposition of polyimide thin films having oligothiophene segments in the main chain"Materials Letters. 57. 2688-2692 (2003)
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[Publications] 六車仁志: "表面プラズモン共鳴バイオセンサー"ケミカルエンジニアリング. 48・9. 737-743 (2003)
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[Publications] 六車仁志: "バイオセンサー入門"コロナ社. 180 (2003)