2002 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理分子動力学計算による原子・分子細線の機能予測
Project/Area Number |
14750022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 倫也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80335372)
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Keywords | 第一原理分子動力学 / 実空間差分法 / 量子化コンダクタンス / ナノワイヤー |
Research Abstract |
近年,金属原子鎖の構造と導電性を解明すべく,実験,理論計算の両分野で数多くの研究が盛んに行われている.これまでの研究により,金やナトリウムなどの原子鎖では,電気伝導のコンダクタンスがG_0(=2e^2/h)の単位で量子化されることが分かっている.今年度は,実空間差分法による第一原理分子動力学計算とOverbridging boundary matching法を用いて,無限長のAl単原子鎖,Al(001)電極間に挟まれた3,5,8個のAl原子からなる単原子鎖の構造と導電性を計算した.その結果,無限長のAl単原子鎖は,(1)平均原子間距離(dav)が4.6 a.u.以上のところで強磁性を示すこと,(2)d_<av>=5.2 a.u.まで引き伸ばすと,3量体が反強磁性の状態で並ぶようにパイエルス転移を起こし破断すること,が分かった.一方,3個のAl原子からなる単原子鎖をAl(001)電極間に挟むと,(1)電極間との相互作用によりd_<av>=5.2a.u.まで引き伸ばしても,常磁性体のままで破断しないこと,(2)電気伝導のコンダクタンスは,d_<av>=5.2 a.u.において0.7G_0であること,(3)コンダクタンスは,平均原子間距離に対し正の傾きを持ち,破断直前(d_<av>=6.3 a.u.)では1G_0を示すこと,が分かった.さらに,5,8個のAl原子からなる単原子鎖を電極間に挟むと,(1)5原子鎖は電極間に1個の3量体を形成し強磁性を示すこと,(2)8原子鎖はは電極間に2個の3量体を形成し反強磁性を示すこと,が分かった.
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Research Products
(1 results)