2003 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみセンサーを応用した無酸素雰囲気中で動作する水素ガスセンサの開発
Project/Area Number |
14750038
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥山 澄雄 山形大学, 総合情報処理センター, 助教授 (10224180)
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Keywords | 水素 / ガスセンサ / ひずみ / マイクロマシン / パラジウム / 膨張 / カンチレバー / 片持梁 |
Research Abstract |
(1)マイクロマシニングで作成したダイアフラムを用いた水素ガスセンサの作成 (1)SOI基板を用いたバルクマイクロマシニングによるダイアフラム構造の作成 電気学会で行っているSOI-MICS(SOI基板を用いたバルクマイクロマシン試作サービス)が本年稼動する予定があったため,チップの設計を行い準備をしていたが,最終的には試作サービスが動かず,チップを作ることができなかった.このためSOI基板を加工してダイアフラム構造を作成する検討を行った.本年度は全自動式開閉式管状炉(EPKRO-11K)および石英管電気炉を購入し,熱酸化プロセスおよび不純物拡散プロセスの実験的検討を行った.その結果,熱酸化プロセスについてはほぼ希望どおりのパラメータを実現できるようになったが,不純物拡散についてはまだ充分にコントロールできていない.また立体構造を作るために必要な異方性エッチングを行うために恒温槽を購入し,TMAHによってSOI基板の基板側をエッチングし,ほぼダイアフラム構造が作成できるようになった.今後は不純物拡散プロセスがコントロールできるようにパラメータを決定し,SOI基板を用いた水素ガスセンサ作成する. (2)表面マイクロマシンを用いた片持梁型センサの構造の検討 表面マイクロマシニングによって作成した片持梁型水素ガスセンサアレイを多数組み合わせることにより,単独の片持梁で見られた,水素のない状態でもパターンが見えてしまう,という問題を解決した.あわせて,片持梁の組み合わせ方法を工夫することにより応答する水素ガス圧力をコントロールすることができることを明らかにした.この結果は2003年9月および2004年3月の応用物理学会において研究発表を行っている. (3)水素ガスセンシング特性に及ぼすPtおよび温度の効果の検討 水素ガスを効率的に検出するためには被毒を軽減し,応答特性を良好なものにする必要がある.これらの点をPd・Ptを用いた抵抗式水素ガスセンサを用いて検討した.その結果,Pdに加えてPtを利用すること,温度を20℃程度上昇させることが非常に有効であることを明らかにした.この結果は応用物理学会東北支部にて発表している.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 奥山 澄雄_7: "水素吸蔵によるPdの膨張/収縮を利用した表面マイクロマシン水素ガスセンサ"第51回応用物理学関係連合講演会. 30a-ZS-5 (2004)
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[Publications] 奥山 澄雄_7: "表面マイクロマシニングによる片持梁型水素ガスセンサ"第64回応用物理学会学術講演会. 30p-YG-12 (2004)
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[Publications] 竹田学史: "MgAg合金を挿入したPd陰極有機EL水素ガスセンサの動作機構"日本表面科学会東北支部講演会予稿集. P-11 (2004)
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[Publications] 若園知宏: "MgAg合金を挿入したPd陰極有機EL水素ガスセンサの特性評価"日本表面科学会東北支部講演会予稿集. P-10 (2004)
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[Publications] 佐々木頼明: "Pt付加と温度変化によるPdAg合金抵抗変化型水素ガスセンサの改良"日本表面科学会東北支部講演会予稿集. P-9 (2004)
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[Publications] 佐々木頼明: "Pd合金の抵抗変化を利用した水素ガスセンサの研究"応用物理学会東北支部第58回学術講演会. 5pB10 (2003)