2003 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー結合ECRプラズマを用いた小型高輝度金属イオン源の開発
Project/Area Number |
14750039
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
笹 公和 筑波大学, 物理学系, 講師 (20312796)
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Keywords | ECRプラズマ / 金属イオン源 / 微量元素分析 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
ECRイオン源は、その安定性、ビーム強度の強さから加速器用イオン源、多価イオン衝突実験などに幅広く利用されている。しかし生成イオンはガス試料からの導入が基本であり、固体試料からのイオン生成が大きな問題点となっている。本研究では、固体試料から安定的にイオンを生成するために、レーザーアブレーションを利用してECRプラズマ中に固体試料元素を外部導入する方式の開発を行った。大電流金属イオン源として、またECRイオン源がイオン化効率の高いことを利用して固体試料の微量元素分析装置として応用出来る。 本研究では、まずレーザーアブレーション試験装置の開発を行った。使用したNd:YAGレーザーはパルス幅8ns、波長λ=1064nmで50mJのエネルギーを持つ。標的上での最大レーザー照射強度は、λ=1064nmで1.4×10^9W/cm^2となる。標的として3mm厚のCu板を用いた実験では、ドリフト距離500mmの位置で、-400Vの電子サプレッサーを備えた内径10mmのファラデーカップにより0.12mAのビーム電流値が得られた。ビーム電流パルスはレーザー照射後13μsでピークを持つ、これは速度として3.8×10^4m/sとなり、エネルギーで約470eVとなる。加速電圧2kVでは、ビーム電流値が0.51mAとなった。小型レーザーイオン源でも大強度のイオンビームを生成出来ることを実証した。またレーザーアブレーションによる中性粒子の生成効率を、分析電磁石によりイオンと中性粒子を振り分けて調べた。本研究に用いた小型2.45GHz-ECRイオン源は、RF導入部を径方向入力としている。ECRプラズマ閉じ込めを永久磁石で行っており、小型軽量化が図られている。レーザーアブレーションにより抽出した粒子は軸方向からECRプラズマ内に導入される。ECRプラズマによるレーザーアブレーション抽出粒子の捕獲効率を測定した。実験結果から小型高輝度金属イオン源の実用化に対する目処が得られた。この研究成果を元に、レーザー生成粒子を既存の超伝導14.5GHz-ECRイオン源のECRプラズマ中にトラップさせる実用的装置の開発段階に進んでいる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Sasa: "Development of a laser ion source for metallic ions"University of Tsukuba, Tandem Accelerator Center(UTTAC), Annual Report 2002.. UTTAC-71. 11-12 (2003)
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[Publications] 笹公和, 島邦博, 小松原哲郎, 工藤博: "12MV及び1MVタンデム型静電加速器による応用研究の展開"原子核研究. Vol48 No.5. 43-52 (2003)
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[Publications] 笹 公和 他: "筑波大学加速器センターの現状"第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会 報告集(神戸大学). 21-24 (2003)
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[Publications] 笹 公和 他: "筑波大学加速器センター施設報告"第14回加速器科学研究発表会報告集. 705-707 (2003)
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[Publications] 笹公和, 新井一郎, 中川考秀, 黒澤正紀: "微量元素分析のためのレーザー結合ECR型イオン源の開発"第2回21世紀連合シンポジウム論文集. ISSN1347-9717. 73-76 (2003)
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[Publications] K.Sasa, I.Arai, M.Kurosawa, T.Nakagawa: "Preliminary experiments on a laser coupling with an electron cyclotron resonance ion source"Book of Abstracts, the 10^<th> International Conference on Ion Source, Dubna, Russia.. 199 (2003)