2002 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し高速衝撃下での材料内部損傷成長過程の解明と超音波を用いた内部損傷非破壊評価
Project/Area Number |
14750058
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 尚哉 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60335099)
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Keywords | スポール損傷 / 繰返し衝撃 / 平板衝撃試験 / 応力波 / 超音波検査 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
<今年度の研究業績の概要> 航空機,宇宙機,高速鉄道等では飛来する異物との高速衝突により様々な衝撃破損現象が生じる.このうち材料内部損傷(スポール損傷)の発生は,構造の機能・安全性において重要な問題である.また,想定される衝撃応力が損傷発生限界応力以下であっても,衝撃が繰返し加わることにより損傷が発生する可能性がある. 本研究では,鋼材(S45C)の同一試験片にスポール損傷発生限界応力(S45Cの場合,約2.7GPa)以下での繰返し平板衝撃試験を行い,超音波顕微鏡による非破壊的な内部観察から損傷発生の確認及びその分布状態の把握を行った.また超音波測定により縦波音速,減衰(振幅比),背面散乱波強度を算出し,損傷状態の定量化を試みた.その結果,スポール損傷発生限界応力以下の衝撃応力(1.1〜1.7GPa)であっても繰返し衝撃(本実験では最大5回)を与えることにより,損傷が発生・増加することを確認した. これまで繰返し衝撃下における損傷の発生および増加,成長過程の解明については,飛翔板と標的板の厚さの比が1:2の繰返し平板衝撃試験が実施され報告されている.しかし実現象では様々な大きさの異物と衝突することが予想される. 本研究では,鋼材(S45C)について衝撃毎に厚さの異なる飛翔板を同一標的板に衝突させる繰返し高速平板衝撃試験を行い,2回目の衝撃で発生する応力波が1回目衝撃により生じたスポール損傷で反射,あるいは透過することによって生じるスポール損傷変化を超音波顕微鏡により非破壊的に観察し検討を行った.その結果,2回目衝撃応力が1回目衝撃応力に比べて小さい場合,2回目衝撃による応力波が1回目で衝撃で生じたスポール損傷で反射することにより衝撃面側で損傷が増加し,1回目衝撃応力に比べて大きい場合,スポール損傷を圧接させ透過することにより裏面側で損傷が増加することが認められた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 近藤 基治, 西村 尚哉, 川嶋 紘一郎: "繰返し衝撃下でのスポール損傷の非破壊評価"日本非破壊検査協会 新素材の非破壊評価特別研究委員会. 13-16 (2002)
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[Publications] 近藤 基治, 西村 尚哉, 川嶋 紘一郎: "異なる厚さの飛翔体による繰返し平板衝撃試験におけるスポール損傷の非破壊評価"日本機械学会 平成14年度材料力学部門講演会. 669-670 (2002)
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[Publications] 近藤 基治, 西村 尚哉, 川嶋 紘一郎: "異なる厚さの飛翔体による繰返し平板衝撃試験におけるスポール損傷の非破壊評価"日本材料学会 第7回材料の衝撃問題シンポジウム. 135-138 (2002)
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[Publications] Naoya Nishimura, Motoharu Kondo, Koichiro Kawashima, Toshihiro Ito: "Nondestructive Evaluation of Spall Damage under Repeated Plate Impact Tests"Proceedings of the International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics'03 (ATEM'03). (発表予定). (2003)