2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーモアレ干渉法によるセラミックス基複合材料の繊維架橋効果に関する研究
Project/Area Number |
14750069
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大木 順司 山口大学, 工学部, 助手 (80223965)
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Keywords | レーザーモアレ干渉法 / セラミックス基複合材料 / き裂開口変位 / 繊維架橋効果 |
Research Abstract |
本年度は、レーザーモアレ干渉計側システムを構築することを試みた。更に、この計測システムを用いて、四点曲げ負荷下におけるCMCのき裂開口変位(COD)を計測した。 レーザーモアレ干渉法システムの構成は次のとおりである。20mWのHe-Neレーザーから発せられた光は、スペーシャルフィルターにより拡大され、更に、コリメーティングレンズを通過し並行光となる。そして、このレーザー光はビームスプリッターにより2つに分光され、これら2つの光が特定の角度を持って試験片に照射される。なお、この計測が振動の影響を受けないよう、これらの装置を除振台上に置いた。 本研究で用いたCMCは母材をアルミナ、繊維をSiCウィスカーとしたものである。バルク材は、本研究室所有のホットプレス装置を用いて作成した。このとき、繊維含有率Vfは、5%および10%とした。そして、このバルク材を5×10×52mmの短冊状の試験片に加工した。また、試験に先立ちCMC試験片表面にはリソグラフィ技術を用いて600本/mmの回折格子を設けた。なお、試験片中央部にNoseの方法により長さ5mmの予き裂を導入した。 試験には本研究室所有の引張圧縮負荷装置を用い、上支点間距離20mm、下支点間距離50mmの四点曲げ負荷を試験片に与えた。本年度得られた結果を以下に要約する。 (1)本年度構築したレーザーモアレ干渉計測装置を用いて、CMCのCODを計測することが可能となった。このときの測定分解能は50nm以下であった。 (2)負荷荷重が小さいとき、き裂先端から1mm程度までの範囲でCODが極端に小さくなった。これは、この領域で繊維の架橋効果が大きくなったためであると考えられる。この傾向は、Vfが大きいほど顕著であった。 (3)負荷荷重が比較的大きい領域で、実験より得られたCODと、線形破壊力学より得られるそれとを比較した結果、前者が、後者より小さくなった。これより、負荷荷重が大きい場合でも、き裂先端部近傍の繊維架橋効果が大きいことが示された。
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Research Products
(1 results)