2002 Fiscal Year Annual Research Report
単発過渡アーク放電による微細プローブの瞬時成形と成形プローブの応用に関する研究
Project/Area Number |
14750080
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
武澤 英樹 埼玉大学, 工学部, 助手 (40334148)
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Keywords | 単発放電 / 細線電極 / 微細加工 / 電極成形 / 瞬時成形 / 計測プローブ |
Research Abstract |
直径0.1mm程度のタングステン細線電極を用いた油中単発放電により,放電後の電極先端が微細化する現象を利用した,微細電極および微細プローブの瞬時成形に関する研究を進めている.平成14年度は,単発放電が可能な専用電源回路の製作と最適加工条件の選定および加工現象の解明を目的に研究を進めた. その結果,大容量(数千〜数万F)のコンデンサを電池とみなし,FETとファンクションジェネレータ(当該研究費にて購入)を用いたスイッチング制御により,ピーク電流:数A〜数十A,パルス幅数μs〜数msまでフレキシブルに設定可能な単発矩形波電源を製作することができた.当該研究費にて購入した高速デジタルオシロスコープを用いた実測放電波形と理想的な過渡現象との比較,およびLCRメータによる測定から,製作した回路は配線抵抗0.6Ω,インダクタンス2.2μHであることがわかった. 製作した放電回路を用いて炭素鋼に対して各種電気条件で単発放電を繰り返し,成形される電極先端形状の観察を行った.成形される微細軸形状は,放電入力エネルギと密接な関係が見出された.直径0.1mmでは,0.4J程度の入力エネルギが最適であった.また,成形軸の最先端を10万倍程度まで拡大して観察したところ,先端半径は最小のサンプルで60〜70nm程度,いずれのサンプルでも150nm以下であることが確かめられた.この最先端部を用いれば,計測用プローブとして十分利用可能であり,瞬時成形できる利点をいかした使い捨て感覚の微細プローブの可能性が開け,次年度以降の計測用プローブとしての評価に期待が持てる.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 武澤英樹, 毛利尚武, 伊藤義郎, 田辺里枝, 堀尾健一郎: "単発放電による微細電極の瞬時成形(第2報)-微細化現象の動的挙動の観察-"精密工学会誌. (採択済み,掲載待ち).