2003 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザー誘起転写法による金属酸化物パターンの組成制御及び超微細化
Project/Area Number |
14750086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 智一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30314371)
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Keywords | レーザー / 薄膜 / 転写 / 金属酸化物 / 超微細構造 / LIFT |
Research Abstract |
超短パルスレーザーを用いてLIFTプロセスを行い,レーザーパラメーターが堆積物に与える影響を調査した.また、レーザーの強度分布がLIFTプロセスに与える影響についても調査した.更に,除去領域の観察,インテンシファイドCCDを使ったプルームの撮影により,リアアブレーションとフロントアプレーションについて比較を行った.本研究で得られた結果は,以下の様に要約される. ・薄膜とアクセプター基板を密着させてLIFTプロセスを行うことでプルームを界面に捕らえ,堆積物の周囲に付着する微粒子の付着を防ぐことが可能となった. ・レーザースポットのサイズが小さくなる程,除去時に剥ぎ取られる薄膜の領域が減少するために,液滴の広がりが抑えられた. ・薄膜とアクセプター基板とを密着させてLIFTプロセスを行った場合,堆積物の直径はフルエンスが高くなるに従い増加する.一方,基板間距離を開けてLIFTプロセスを行った場合,堆積物の直径はフルエンスに依存しない.また,レーザースポットの中央部のみを照射することでレーザー照射域内部の圧力分布が一定に近づき,液滴の広がりが抑えられる. ・リアアブレーションにおいてはプルームによる圧力が薄膜の除去に寄与し,除去領域がフロントアブレーションを行った場合よりも大きくなることが明らかになった. ・プルームの撮影を行うことで,レーザー照射直後に移送速度が60-160km/sの粒子が移送されていることが明らかになった. ・LIFTプロセスにおいて,レーザー照射に伴い薄膜が剥ぎ取りによって除去される.超短パルスレーザーを用いたLIFTプロセスにおいては,移送される薄膜は堆積物になる領域と,液滴となる領域は,レーザー照射域の圧力勾配によって決定される.初期の薄膜内部へのエネルギー伝達が電子によってなされ,更にプルームによる圧力が高くなるために,プルームの閉じこめによる薄膜の剥ぎ取りによる除去がより顕著になる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Sano, H.Yamada, T.Nakayama, I.Miyamoto: "Laser induced rear ablation of metal thin films"Proceedings of SPIE. 4426. 70-73 (2001)
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[Publications] T.Sano, T.Nakayama, H.Yamada, I.Miyamoto: "Experimental investigation of laser induced forward transfer process of metal thin films"Applied Surface Science. 186. 221-226 (2002)
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[Publications] H.Yamada, T.Sano, T.Nakayama, I.Miyamoto: "Optimization of laser-induced forward transfer process of metal thin films"Applied Surface Science. 197-198. 411-415 (2002)
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[Publications] K.Komorita, T.Sano, H.Yamada, I.Miyamoto: "Oxidation state control of micro metal oxide patterns produced by using laser-induced forward transfer technique"Proceedings of SPIE. 4830. 20-24 (2002)
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[Publications] H.Yamada, T.Sano, E.Ohmura, I.Miyamoto: "Excimer and femtosecond pulsed laser induced forward transfer process of metal thin films"Proceedings of SPIE. 4977. 426-433 (2003)