2002 Fiscal Year Annual Research Report
分散協調ネットワークエージェントによる設計・生産のプロジェクト管理
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14750099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 一浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314228)
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Keywords | プロジェクトマネジメント / 多目的最適化 / 作業順序 / 評価特性依存表 / 開発時間短縮 / ヒューマンリソース / 最適配置 / 制約充足 |
Research Abstract |
大規模製品を開発する際の,全設計・生産システムのプロセスを推進し,グローバルに最適な製品を生み出すための意思決定支援手法の理論を確立し,システムの開発を行うために,分散協調ネットワーク環境上で,設計・生産の各部門が有機的に結びつき最適なプロジェクト遂行および意思決定を行うための新しい理論を開発した.まず,製品の評価特性の相互関係に基づいた意思決定順序の最適化手法を構築した.製品の評価特性間,および評価特性と設計変数との入出力関係をマトリクス形式に表現した.このマトリクスに基づき,評価特性の協調関係および優先順位を考慮した配列手法を提案した.また設計作業の同時並行作業も考慮に入れ,さらに製品開発期間の短縮をはかった.この方法により意思決定の循環が最小になるような設計手順が構成され,設計の手戻りによるコストアップ,開発時間の延長を最小限に抑えることができるようになった.さらに設計・生産のプロジェクトにおけるヒューマンリソースの配置を最適化する方法論を構築した.プロジェクト遂行に必要な能力を,ヒューマンリソースの持つスキルの合計から算出し,プロジェクトが効率よく実行できるようにヒューマンリソースを最適配置する問題を最適化問題として定式化を行った.目標関数を,プロジェクトを実行することによる利益,各開発プロジェクトにおいて必要とされるスキルの充足度,ヒューマンリソースのキャリアパスの満足度,ヒューマンリソースのモチベーションの4つで表現し,多目的最適化問題を構成した.この問題を遺伝的アルゴリズムを用い,さまざまな配置パターンをパレート最適解として提示することができた.
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[Publications] 吉村允孝, 藤見喜久, 泉井一浩: "評価特性の相互関係に基づく意思決定順序最適化手法"日本機械学会論文集C編. 68-668. 1310-1318 (2002)
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[Publications] 藤見喜久, 泉井一浩, 吉村允孝: "複数開発プロジェクトへのヒューマンリソース最適配置"日本機械学会第12回設計工学・システム部門講演会論文集. 293-296 (2002)
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[Publications] 米田浩延, 泉井一浩, 吉村允孝: "分散設計における開発コストを考慮した開発目標の協調的決定法"日本機械学会2002年度年次大会論文集. 2528 (2002)