2003 Fiscal Year Annual Research Report
LESによる高レイノルズ数壁乱流の大規模乱流構造の解析と温度成層の影響
Project/Area Number |
14750110
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
坪倉 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (40313366)
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Keywords | 壁乱流 / 大規模乱流構造 / LES / レイノルズ数スケーリング / チャネル流 / 成層性乱流 |
Research Abstract |
本研究は大きく次の三つの課題に分けられる。 1.中立成層状態平板チャネル乱流の大規模乱流構造と、壁面極近傍の乱流微細渦構造との関係の解明。 2.中立成層状態の様々な壁乱流における大規模構造の普遍性と圧力勾配や境界形状の影響の解明。 3.平板チャネル乱流の大規模構造に対する温度成層性の影響の解明。 本年度は特に上記3の課題に関して次の成果を得た。(1は昨年度実施済み) (1)LESによる安定成層下のチャネル乱流計算を高精度に行う為に、SGS熱流束モデルの開発と検討を行った。まず、中程度のレイノルズ数590の安定成層下のチャネル乱流のDNS解析を行い、得られたデータを利用してアプリオリテストを行った。この結果、既存のスマゴリンスキー型の渦拡散モデルに対して、我々が開発した、SGS熱流束輸送方程式の生成項を利用したモデルがより高い精度の解を示すことを確認した。また熱流束モデルにおけるGS速度勾配の効果を考慮することの重要性を示し、この効果を含むモデルの定式化を行った。 (2)得られたSGS熱流束モデルを利用して、レイノルズ数1180の安定成層下のチャネル乱流LES解析を行い、安定性を変化させた場合の大規模構造の挙動について調べた。安定条件下では、外層に見られる大規模構造は強い影響を受け、主流方向、スパン方向ともそのスケールが小さくなる一方、バッファ域のストリーク構造は、スペクトルのピーク波長に大きな変化はないことがわかった。一方、中立状態では外層の大規模構造は、バッファ域までその影響が深く浸透するが、安定条件ではこの外層の影響が消滅するため、バッファ層ストリークを大きく変化させることなく壁面近傍の乱流強度が低下することを示した。低レイノルズ数下でも外層の大規模構造が相対的に小さくなることを考慮すれば、このことは、壁面近傍の主流方向乱流強度のレイノルズ数依存性の妥当性を説明しており、重要な知見である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Makoto Tsubokura: "Subgrid-scale heat-flux modeling and its assessment on the thermally stratified turbulent channel flow"Program of the 56^<th> annual meeting of the division of fluid dynamics, American physical society. vol.48,no.10. 126 (2003)
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[Publications] Makoto Tsubokura, Tetsuro Tamura: "The large-scale motions in neutral and stably stratified wall-turbulence"Proc.of the third international symposium on turbulence and shear flow phenomena (edts: N.Kasagi et al.). vol.11. 693-698 (2003)
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[Publications] Tetsuro Tamura, Shuyang Cao, Makoto Tsubokura, Yudai Tateyama, Takahito Inaba: "LES analysis on dispersion in surface layer over randomly arranged roughness blocks(edts : N.Kasagi et al.)"Proc.of the third international symposium on turbulence and shear flow phenomena (edts : N.Kasagi et al.). vol.1. 353-358 (2003)
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[Publications] 曹曙陽, 田村哲郎, 坪倉誠, 海老澤明寛: "ラフネスブロック上に発達する安定・不安定温度成層乱流境界層に関する実験的研究"日本流体力学会年会2003講演論文集. 142-143 (2003)
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[Publications] Makoto Tsubokura: "Subgrid Scale Modeling of Turbulence for the Dynamic Procedure Using FDM and its Assessment on the Thermally Stratified Turbulent Channel Flow"CD-ROM Proc.of the 4^<th> ASME・JSME Joint Fluids Engineering Conference FEDSM2003. 45352 (2003)