2002 Fiscal Year Annual Research Report
多点同時計測LDVを用いたマイクロチャネル流速計測法の開発
Project/Area Number |
14750112
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古市 紀之 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10334921)
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Keywords | マイクロチャネル / 流速分布 / 多点LDV |
Research Abstract |
本研究では近年活発に開発が行われているマイクロデバイス周囲の流動計測を目的に,マイクロチャネル内の流速分布を計測する手法を確立することを目的とした.本研究では簡便かつ高精度に速度分布を計測するシステムとして,レーザー流速計を応用しマイクロチャネル用の多点同時計測LDVの構築を行った.まず,マイクロチャネル内における微粒子からの散乱信号が非常に微弱なことを考慮し,この微小信号を検知することのできるシステムとして,マルチフォトダイオードアレイによる受光系を構築した.これにより,比較的強度の低いバースト信号を検知できるようになり,またSN比の向上によりより精度の高い計測が可能になった.また,レンズの被写界深度による測定位置の推定法についての検討を合わせて行った.信号処理系としては,流速が比較的遅いことを考慮したハイパスフィルターおよびアンプにより構成した.また,本研究においては,多点での計測のため最終的にはワンピットによるサンプリング方式を目標としている.コンパレータにより二値化は容易であるが,この信号をパソコンに取り込む際にノイズが発生することを考慮し,光ファイバーによるデータ転送システムを構築した. 実計測においては本年度はまず,マイクロチャネルとして,直径0.8mmのキャピラリチューブ内の計測を行った.流速は約0.01m/s,散乱粒子として直径5μmのポリスチレン粒子を使用した.その結果,壁面による散乱光強度が大きく,また,キャピラリチューブがレンズの役目をするために,十分な計測結果を得ることができなかった.しかしながら,レーザー光の強度および信号処理におけるアンプ等の調整により,本システムによりマイクロチャネル内流動を計測できる可能性があることを示した.
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