2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルを用いたポンプ水車不安定流動現象の解明
Project/Area Number |
14750118
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒巻 森一朗 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (50274535)
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Keywords | ポンプ水車 / 不安定流動現象 / PIV / マイクロバブル |
Research Abstract |
研究最終年度にあたる本年度は,主としてポンプ水車運転計測を行なった。 以下に本年度の研究実施計画に沿って説明する。 1.マイクロバブル生成装置の改良およびマイクロバブルの物性値計測 マイクロバブルの連続安定供給については,ポンプ水車実験装置の回転数増加等の変更により,供給および出現圧力等の検討を行った。従来の圧力タンクを使用したバッチ式マイクロバブル供給装置を、耐圧管内で空気を作動流体(水)に溶解させながらマイクロバブルを供給するシステムとした。マイクロバブル供給用の配管はポンプ水車実験装置とは別系統のシステムである。結果、連続的にマイクロバブルを供給することは可能となったが、マイクロバブルの発生する圧力が安定せず、当初の目的である実機の羽根車低圧部で発生するキャビテーションを模擬する状況にまでは至っていない。今後、継続して改良を重ねる。 2.ポンプ水車実験 (1)駆動系の変更によりポンプ水車の運転範囲を0rpmから500rpmとすることができるようになった。 (2)専用設計のLED照明システムが完成し、羽根車と共に回転するカメラとの同期を取りながらの撮影が可能となった。しかし、羽根車全周を照明するには光量が不足しており、既設の空冷アルゴンレーザを併用した。照明に関しては50mWクラスの半導体レーザが安価に供給されているようなので、今後それらの使用も検討する。 (3)ポンプ水車内の流れをマイクロバブルをトレーサとしてPIV計測を行った。安定した流れ場の計測は従来から成功していた。今回の研究では安定した流れから不安定な流れへの変動流れの計測を行った。使用した羽根車はPIV計測に最適なアクリル製であるが、高速・不安定流れ状態での運転では羽根への負担が大きく、羽根車の接合部等の剥離が生じた。その為、PIVによる正確な計測が未完である。現在、羽根車の再設計・製作中である。
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