2002 Fiscal Year Annual Research Report
渦構造を伴う流れに生じるキャビテーションの挙動特性に関する研究
Project/Area Number |
14750119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50304738)
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Keywords | キャビテーション / 翼端隙間流れ / 渦構造 / 流体機器 / 不安定現象 |
Research Abstract |
渦構造が存在する高速流れでは渦心近傍が低圧となり,作動流体が液体の場合にはその低圧部にキャビテーションが観察されることが多い.渦構造を伴う最も単純な流れとして主流方向と渦軸方向が同一である縦渦流れと,主流方向と渦軸が垂直である横渦流れが挙げられることから,本研究では,特にこの渦構造の違いに着目し,渦構造とキャビテーションの挙動特性との関係を明らかにすることを目的としている.本年度は,現有の実験装置2種を改良することにより,(1)縦渦流れの代表例としての翼端渦に生じるキャビテーションを,(2)横渦流れの代表例としての隙間漏れ渦に生じるキャビテーションに関する実験的研究を行った.以下にそれぞれについて述べる. (1)では,翼端効果を吟味するために供試翼(NACA0015,翼弦長60mm)の翼端隙間を変化させることができるよう改良し,翼端隙間1mmと6mmについて実験を行った.まず,レーザードップラー流速計(LDV)により翼周りの流れ場を計測し,その速度分布から翼端隙間が広い場合には明らかに翼端付近で翼負荷が低下していること,さらに翼端面での剥離泡の存在,翼前縁から生じる翼端渦と翼の中ごろから生じる二次的な翼端渦が合体する様子が確認され,それらの存在がキャビテーションの発生状況に大きく影響することが判明した.今後は発生する翼端渦キャビテーションの体積挙動を定量的に明らかにし,さらにその周囲流れの非定常挙動に着目していく予定である. (2)では,アクリル円筒(内径100mm)とその中に設置された円盤(外径99.5mm,98mm)の間の高速隙間流れを実現し,シート光源を用いた可視化により,隙間出口での漏れ渦とそれに生じるキャビテーション気泡の挙動を観察した,今後はLDVの使用などにより渦構造の定量的評価を行うキャビテーション気泡の成長挙動との関係を明らかにしていく予定である.
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