2003 Fiscal Year Annual Research Report

濡れ性分布と界面張力差駆動流を用いた新流体ハンドリングの開発

Research Project

Project/Area Number	14750129
Research Institution	Japan Aerospace Exploration Agency
Principal Investigator	桜井誠人独立行政法人宇宙航空研究開発機構, (航技研)・宇宙先進技術研究グループ・有人宇宙システムサブグループ, 主任研究員 (80344258)
Keywords	微小重力 / マイクロマシン / 濡れ性 / 流体 / 界面張力 / マランゴニ対流 / 不溶二流体 / 相転移
Research Abstract	フロリナート・シリコンオイル系に自発的に発生するマランゴニ対流をトレーサー法により観察した。当初、トレーサーとして鱗片状のアルミ粉末を用いたがシリコンオイル滴のみに吸着された。そこで、種々のトレーサーをフロリナートに分散し分散性が最も優れているPotters社のHollow spheresトレーサーを用いた。観察の結果、駆動力はシリコンオイル・フロリナート・空気の三重接線にあると思われる。シリコンオイル滴の底面から接線に近づいてきたトレーサーは三重接線において弾かれたように加速しシリコンオイル・空気界面を流れる。それに伴いフロリナートも接線から放射状に流れ場を持つ。この流れは容器をサランラップで密封すると終息したことから蒸発に起因していると考えられる。シリコンオイルの液滴の厚さは非常に薄く液滴体積と面積から算出した結果1mm程度と考えられる。本対流による高速度カメラ[250frame/s]による速度観察の結果から、最も流速の大きい部分では秒速40mmであった。次に速度をやや落としながらシリコンオイル滴上部の中央部へと流れてゆく。フロリナート・シリコンオイル界面の速度はシリコンオイル・空気界面の速度の方が速いことが明らかになった。最後に本駆動力を応用した回転力を生み出す装置を試作した。シリコンオイル・フロリナート共に濡れ性がよいがシリコンオイルの方が若干濡れが良いため、この微妙な濡れ性の違いを利用して羽根車の本体をプラスチックの板で作り、三つの羽のそれぞれ一方のみにテフロンシール貼り付けた。この羽根車をフロリナートに浮かべテフロンシールの方にのみ注射器を用いて赤く着色したシリコン液滴を付着させると羽根車は自発的に回転を始めた。羽根の末端部の速度はシリコンオイルの多少に関わらず秒速6mm程であった。

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] M.Sakurai, S.Yoshihara, M.Ohnishi: "Controlling of Wettability for a New Fluid Handling in Microgravity Condition"Proc.IAC-03-J.4.09, 54^<th> International Astronautical Federation. 1-6 (2003)
[Publications] 桜井誠人, 吉原正一, 大西充: "航空機実験によるg-ジッター影響計測実験装置の機能確認"日本マイクログラビティ-応用学会誌. Vol.20, No.1. 60-65 (2003)
[Publications] M.Sakurai, S.Yoshihara, M.Ohnishi: ""Controlling of Wettability for a New Fluid Handling in Microgravity Condition""Proc.MEMS2004, 17^<th> IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical System. 490-493 (2004)
[Publications] 桜井誠人, 星野健, 吉原正一, 大西充: "微小重力対応型水電解装置"第19回宇宙ステーション講演会、第16回有人宇宙飛行技術シンポジウム、2003年4月25日、筑波宇宙センター. 33-34 (2003)
[Publications] 桜井誠人, 星野健, 吉原正一, 大西充: "自立型部分循環生命維持システムを目指した無重力対応型水電解装置"2003生態工学会年次大会発表論文集. 38-41 (2003)
[Publications] Masato Sakurai: "Fluid Handling under Microgravity Conditions Using Wetting and Surface Tension"J.Jpn.Soc. Microgravity Apple, 10月, Hamamatsu. Vol.20(supplement). 32 (2003)
[Publications] Masato Sakurai, Mitsuru Ohnish: "R&D on JUSTSAP II Mission"第13回JUSTSAPワークショップ、11月, Honolulu, Hawaii. (2003)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

濡れ性分布と界面張力差駆動流を用いた新流体ハンドリングの開発

Principal Investigator

桜井 誠人 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, (航技研)・宇宙先進技術研究グループ・有人宇宙システムサブグループ, 主任研究員 (80344258)

Research Products

[Publications] M.Sakurai, S.Yoshihara, M.Ohnishi: "Controlling of Wettability for a New Fluid Handling in Microgravity Condition"Proc.IAC-03-J.4.09, 54^<th> International Astronautical Federation. 1-6 (2003)

[Publications] 桜井誠人, 吉原正一, 大西充: "航空機実験によるg-ジッター影響計測実験装置の機能確認"日本マイクログラビティ-応用学会誌. Vol.20, No.1. 60-65 (2003)

[Publications] M.Sakurai, S.Yoshihara, M.Ohnishi: ""Controlling of Wettability for a New Fluid Handling in Microgravity Condition""Proc.MEMS2004, 17^<th> IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical System. 490-493 (2004)

[Publications] 桜井誠人, 星野健, 吉原正一, 大西充: "微小重力対応型水電解装置"第19回宇宙ステーション講演会、第16回有人宇宙飛行技術シンポジウム、2003年4月25日、筑波宇宙センター. 33-34 (2003)

[Publications] 桜井誠人, 星野健, 吉原正一, 大西充: "自立型部分循環生命維持システムを目指した無重力対応型水電解装置"2003生態工学会年次大会発表論文集. 38-41 (2003)

[Publications] Masato Sakurai: "Fluid Handling under Microgravity Conditions Using Wetting and Surface Tension"J.Jpn.Soc. Microgravity Apple, 10月, Hamamatsu. Vol.20(supplement). 32 (2003)

[Publications] Masato Sakurai, Mitsuru Ohnish: "R&D on JUSTSAP II Mission"第13回JUSTSAPワークショップ、11月, Honolulu, Hawaii. (2003)

桜井誠人独立行政法人宇宙航空研究開発機構, (航技研)・宇宙先進技術研究グループ・有人宇宙システムサブグループ, 主任研究員 (80344258)