2002 Fiscal Year Annual Research Report
Triple Flame形成のための最適濃度勾配条件と火炎特性
Project/Area Number |
14750130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣田 光智 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50333860)
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Keywords | Triple Flame / 濃度勾配 / ラジカル自発光強度 / 火炎構造 / 部分予混合火炎 / 相互干渉 |
Research Abstract |
本研究は乱流燃焼の安定化に重要な要素となる部分予混合燃焼の火炎端(Edge Flame)特性の把握とその最適燃焼条件を示すことを目的としている.この火炎端前縁には燃料と酸化剤の部分的な混合領域が存在し,これによって火炎端はTriple Flameと呼ばれる錨型形状となる.希薄予混合火炎から過濃予混合火炎へ弓形の火炎面と後流側の拡散火炎面は,相互干渉して火炎が安定な構造となると予測される.ただ実燃焼器内では不均一な濃度勾配となることが多い.従って通常のTriple Flameとなる濃度勾配(理論混合比を中心とした可燃限界濃度を含む状態)を不均一に変化させることで火炎特性の変化を観察し,火炎端の安定性に最適な燃焼条件を明らかにする. 本年度は,まず火炎前縁に主流の平均流速に対する乱れ強さが0.3%程度の微小な擾乱を添加し,火炎形状,定在高さ,濃度勾配の大きさの変化などを観察した.添加した微小な擾乱が大きいほど初期の濃度勾配を緩やかな状態にする.これにより火炎曲率が小さくなり定在高さが高くなる.これらの結果より火炎特性は火炎に到達する直前の濃度勾配の大きさに支配されていることがわかった.また,通常のTriple Flameとなる濃度勾配を様々な大きさに設定し,火炎のOH, CH, C2ラジカル自発光強度を測定した.これより濃度勾配が緩やかの状態の方が各ラジカル発光強度は大きいことがわかった.火炎後流側で各ラジカル発光強度を比較すると,火炎先端付近で希薄側にCH及びC2ラジカルの最大値,過濃側にOHラジカルの最大値が存在し,反応の活発な領域が中心部からずれていること,化学反応経路が左右非対称であることがわかった.これにより不均一な濃度勾配中では,化学反応経路の変化から予混合火炎面と拡散火炎間の相互干渉の形態が変化し,後流側の燃焼排出物に違いが生じることが予測される.
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Research Products
(1 results)