2002 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟ロボットアームのオンライン衝突検知と制御に関する研究
Project/Area Number |
14750160
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 祐一 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80273548)
|
Keywords | 柔軟マニピュレーター / 衝突検出 / カルマンフィルター / 不規則外乱 / 確率システム |
Research Abstract |
本研究では,柔軟マニピュレーターの衝突を新たな衝突検出のためのセンサーを追加することなく検出し,その出力をマニピュレーターの安全な停止に結びつけることを目的としている.平成15年度は停止しているマニピュレーターに対する衝突検出に関する理論研究と実験を行った.今年度の主たるテーマは,(1)何時,障害物が柔軟マニピュレーターに衝突したのかを検出すること,(2)マニピュレーターのどのあたりに衝突したのかを推定することの2点である. 停止状態にある柔軟マニピュレーターを柔軟な片持ち梁とみなし,その数学モデルを,分布不規則外乱と衝突による未知入力項を持つオイラー・ベルヌーイ型偏微分方程式により記述した.この数学モデルにモード展開法を適用して有限次元の状態方程式を導出し,さらにその状態を推定するカルマンフィルターを設計した.(1)の衝突時刻の検出は,カルマンフィルターの状態量の推定値と観測データから得られるイノベーション過程の統計的性質を用いて検定することにより達成された.衝突検出は即時性が要求されるが,本方式は計算量が少なく衝突が起こったことを即時かつ高感度に行うことが出来た.また同様の片持ち梁に対する衝突実験においても本手法が有効であることを確認した.(2)に示した衝突位置の推定は(1)で行った検出とは異なり,柔軟マニピュレーターが衝突した物体より受ける外力(衝突入力)の挙動を記述するシステムモデルを仮定し,衝突入力自体を推定することによって可能となることが明らかとなった.衝突入力の推定値からマニピュレーター全体が受ける衝突による力の分布をさらに推定し,同じ分布を与える衝突位置を探すことで衝突位置の推定を行うことに成功した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Y.Sawada: "Detection of Collisions for a Flexible Beam Subject to Random Disturbance"Proc. of the 41st SICE Annual Conference 2002, Osaka. 268-273 (2002)
-
[Publications] Y.Sawada: "Collision Detection for a Flexible Cantilever-beam Subject to Random Disturbance Based on Innovation Process"Proc. of the 2002 IEEE International Conference on Control Applications, Glasgow. 1171-1176 (2002)