2002 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化プラスチックと圧電セラミクス素子の一体化に関する研究
Project/Area Number |
14750164
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大島 信生 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40315974)
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Keywords | 圧電セラミクス / 繊維強化プラスチック / オートクレーブ成型 / アクチュエータ / センサ |
Research Abstract |
圧電セラミクスを繊維強化プラスチックと一体化し成形する際、その冷却時における圧電セラミクスのインピーダンスの急激な変化の原因を解明するために、母材である繊維強化プラスチックの積層枚数・配向角および圧電セラミクスの形状を変化させ実験を行い、そのインピーダンス変化を観察している。その結果、成形過程後半の冷却時におけるインピーダンス変化は繊維強化プラスチックの厚さ方向に関して、影響をうける範囲を明らかになった。圧電セラミクスの形状を変えて実験を行うことにより、分極方向の変形がインピーダンスの変化に大きく寄与していることが判明した。また、分極方向以外に関しては、圧電セラミクスの断面積が大きい面と繊維強化プラスチックの熱収縮量が大きい方向が一致したとき、インピーダンスの変化が大きくなることがわかった。 さらに、これらの実験結果を有限要素法を用いて解析し、成形過程後半の冷却時におけるインピーダンス変化は繊維強化プラスチックの熱収縮に伴う圧電セラミクスの熱残留ひずみの影響であることがわかった。 次に、繊維強化プラスチック中に埋込んだ圧電セラミクスと繊維強化プラスチックに貼り付けた圧電セラミクスのセンサ・アクチュエータ特性について実験的に検討を行った。また、これらの圧電セラミクスにさらにバイアス力や予ひずみを加えてその特性変化について実験的に調べている。その結果、圧電セラミクスの分極方向に圧縮方向のひずみが生じているときに圧電セラミクスの発生電圧が高くなりセンサとしての感度が上昇する現象が観察された。また、この現象について簡単なモデルを用いて定性的に説明できた。成形時に加わる残留ひずみによるインピーダンス変化とこのアクチュエータ・センサ能力の変化を結びつけることが出来れば、より効率的に繊維強化プラスチック内と一体化した圧電セラミクスを利用することが出来ると考えられる。
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